こぼれ落ちていく ページ40
「なんか、あったかい気がする…」
ぼんやりと呟くと、智さんが小さく笑った。
「…俺に治癒能力はねえけど、潤の回復を手伝ってんの。少しだけだけど…」
「ありがとう…」
ドクドクと血が流れる感覚が徐々に無くなっていって、緊張で強張っていた智さんと翔さんの顔も少しずつ安心したように戻っていく。
そして、俺は一般人じゃ考えられないほどのスピードで回復を果たし、それから数分ほどで痛みが少しあるものの自力で起き上がれるまでになった。
「2人は…」
ガシャガシャガシャ、ガシャン！！！！！
物音と共にガラスやコンクリートの破片が降り注ぎ、反射的に腕を額に当てる。
それからすぐに状況を確認すると、サトシとジュンが必死にマサキを押さえつけていた。
「早く…！」
ジュンが悲痛な声を上げ、俺たちは慌てて近くに寄って一緒にマサキを押さえ込んだ。
「…マサキの魂は傷付きすぎてる。このままじゃ、そのまま消滅する！」
「消滅って…」
訊ねると、ジュンはもう大きな瞳に涙を浮かべていて今にも泣きそうだった。
「このまま消滅してしまえば、マサキの魂は天国にも地獄にも行けずに永遠に生と死の狭間で罪の意識を抱えたまま苦しむことになる。
そんなこと、絶対に…」
言葉を紡ぎながらブンブンと首を振るジュン。
「だから、早く！サトシ！」
「言われなくても、もうやってるだろーが…！」
いつも冷静なはずの、焦るサトシの声。
サトシは暴れるマサキの額に手を押し付け、顔を顰めて歯を食いしばっている。
「マサキに何があったのか…それがわかれば、記憶を消さなくても意識をそこから逸らすことはできるはず…！」
すると、しばらく暴れていたマサキは、徐々に力を緩めてそのままそこに横たわった。
『ああ…俺、もう…』
脳内に響く、悲しそうな声はマサキのもの。
「マサキ。」
ジュンが名前を呼ぶと、獣の体が淡く光って
そのまま元のホログラムの人間姿に戻った。
「ごめん…ごめんなさい…」
マサキは、震えながら泣いていた。
「…大丈夫。」
ジュンが慰めるように頭を撫でる。
「マサキはマサキなりに、守りたいものを守ったんだろ？」
サトシさんも、優しい声をかけて小さく笑う。
「でも俺、いっぱい壊して、傷つけて…結局何も…」
「大丈夫だって。ほら…」
ジュンの指した方向には、いつの間にか智さんと翔さんがいて
そして、雅紀さんとニノがこちらを見て笑っていた。
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櫻宮 - なんか…嫌な感じですが。5人(+1人？)ならきっと乗り越えられると信じてます。。全員無事でありますように。そして、全員で笑えますように。。続き気になる！！ (2020年6月28日 17時) (
レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - 櫻宮さん» いつもコメントありがとうございます。やっと黒幕と対峙し、お話も佳境です。結末まで、もう少し…かな？笑 (2020年6月27日 7時) (レス) id: bdb041c54a (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - サトシとマサキじゃなくてサトシたちとカズたち会えると良いですね。 (2020年6月25日 15時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 何だか凄く泣けますね。サトシとマサキ無事会えると良いですね。 (2020年6月25日 12時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - 櫻宮さん» 今日は少し多めの５話更新です…！コロナも先が見えずに暗くなりがちですが、嵐さんを見て私も癒されています♪私も「Wash your hands」で楽しみながら手洗いしていますよ〜 (2020年6月24日 21時) (レス) id: bdb041c54a (このIDを非表示/違反報告)
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