魂 ページ34
『…じゃあ、決まり。』
ショウがそう言うとジュンは難しい顔をしていたけど、特に反論はしなかった。
『じゃあ、さっきも言ったけど、翔の体の中に入って。』
俺がゆっくりと頷くと、ショウは満足げに笑い声を上げた。
「翔さんに入るって、俺はどうしたらいいの？あと、入ったあとはどうしたら…」
首を傾げる俺に、ジュンが答えた。
「潤の体に俺が入り、それと入れ違いで潤の魂を抜く。魂が抜けるとその体は急激に腐敗して死んでしまうから、これを防ぐ。」
なんか難しそう、と呟くと、俺らがサポートするから、とジュンに励まされた。
「…で、翔の体に潤の魂を入れる。そして、翔の魂を潤が引き留めればOK。」
簡単に言うけど、果たしてそう上手くいくものなのだろうか。
そんなことを考えても、やらない選択肢はないから意味ないんだけど。
『さっきジュンが、この体に魂が2つ入ってるって言ってたけど、それでもこう安定してるのは、僕とショウだからなの。普通は2つも魂が入ったら、正常でいられるわけがない。』
ショウがそう言うとジュンも頷く。
『魂が2つも入れば、入った瞬間死ぬか…死ななくても意識はない。それでももって数時間の命だけど。
俺たちがこうして自由に出入りができたり、あんたらがほとんど不都合なく動けるのは…もともと俺らの魂が一つだったからだ。』
「…え？」
「話は終わりだ。始めよう。」
俺の言葉は、ジュンの声に掻き消された。
聞きなおそうかと思ったけど、時間がないのは確かだし。
俺が深呼吸をして頷くと、智さんが俺の前へと移動してくるりと背中の翔さんを見せた。
「じゃあ、いくぞ。翔の体に手を触れて、目をつぶって、なるべく体の力を抜いてくれ。」
ジュンの声に従って、ゆっくりと息を吐いた。
…翔さんの呼吸音が、鼓動が、しっかりと感じ取れる。
「いいぞ…その調子。」
じんわりと翔さんに触れている指先ががあったかくなってきて、でもなるべくそっちばかりに気が向かないように気をつけた。
…目をつぶってると、自分の血が体を巡るのまでも感じ取れる。
指先から、心臓を通って、肺へ行って…
「さあ、いくぞ…3、2、1！」
ジュンの声が聞こえ、カウントダウンと同時に真っ暗なはずの視界が真っ白になった。
…
『潤、聞こえるか？』
その声に、ゆっくりと目を開ける。
すると、辺りは真っ暗で
暖かい空間にふわふわ漂っているような感覚がした。
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櫻宮 - なんか…嫌な感じですが。5人(+1人？)ならきっと乗り越えられると信じてます。。全員無事でありますように。そして、全員で笑えますように。。続き気になる！！ (2020年6月28日 17時) (
レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - 櫻宮さん» いつもコメントありがとうございます。やっと黒幕と対峙し、お話も佳境です。結末まで、もう少し…かな？笑 (2020年6月27日 7時) (レス) id: bdb041c54a (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - サトシとマサキじゃなくてサトシたちとカズたち会えると良いですね。 (2020年6月25日 15時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 何だか凄く泣けますね。サトシとマサキ無事会えると良いですね。 (2020年6月25日 12時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - 櫻宮さん» 今日は少し多めの５話更新です…！コロナも先が見えずに暗くなりがちですが、嵐さんを見て私も癒されています♪私も「Wash your hands」で楽しみながら手洗いしていますよ〜 (2020年6月24日 21時) (レス) id: bdb041c54a (このIDを非表示/違反報告)
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