見えざる思い ページ32
「ショウ？ショウっ…！」
ジュンが慌てて呼びかけるけど、もうショウは返事をしない。
「…息はしてるけど意識がない。」
ジュンは動転しているのか、大きな瞳がキュルキュル忙しなく動いている。
「ショウの魂を還さなきゃいけないのに、ショウが彼と癒着している。これじゃあ…」
ジュンの大きな黒い目が、ゆらゆらと不安げに揺れる。
「おい、ショウ！聞こえるか？
そのままだとショウも、その体の持ち主も死ぬんだぞ！」
悔しげな表情で叫ぶジュン。
すると、今度は脳内に翔の声が響いた。
『わか…っ、てる！』
「早く…その体を離してくれよ！」
『でも、このままだと…あぁ、うっ！』
ショウが苦しそうに喘ぎ、唸るように息をしているのが聞こえる。
「お願いだから…出てきてくれ！」
ジュンの懇願にもショウは応じず、ゼェゼェ息をしながら黙っているだけ。
…ショウは警戒心が強くて、慎重派のはず。
だけど、自分が信用できる相手にはそんな空気は出してなかった。
俺たちの頼みならまだしも、ジュンの頼みを聞かないのは…
「…なぁ。」
俺が声を出すと、ジュンがびくっと体を震わす。
…不安なんだ。
大丈夫、の意味を込めてジュンの背中に手を当てると、少し落ち着いたのかジュンの口角がわずかに上がった。
「なぁ、ショウ。聞こえるか？
潤だよ。会うのは2度目だな…」
ゆっくり話し始めても、ショウからの返事はない。
苦しそうな息遣いが聞こえてくるだけだけど、それでも構わず俺は話し続けた。
「翔さんを守ろうとしてくれてるんだろ？
だから、ジュンの言うようにこっちに出てこないんだろ…」
その言葉に、ジュンがハッと息を飲む。
「ショウがその体を離れると、翔さんの身に危険が及ぶ。だから、そこから出てこないんだろ？」
それでも、ショウはジッと黙っていた。
相変わらず翔さんの体はグッタリとしていて、ショウの姿も見えないけれど
ショウがまるで品定めをするように俺の様子を窺っているのは感じ取れる。
しばらくして、だんまりに耐えかねた智さんがゆらゆらと負ぶった翔さんごと体をゆらりと揺らすと、ショウがボソッと声を発した。
『…そう。』
マラソンをした後みたいに息をするのが精一杯みたいな声で告げたのは、衝撃的な事実だった。
『…彼の魂は、相当なダメージを負って、能力を消そうとしてる。それを僕が引き留めてる状態だ。この体から、僕が抜けたら…彼は記憶を失ってしまう。』
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櫻宮 - なんか…嫌な感じですが。5人(+1人？)ならきっと乗り越えられると信じてます。。全員無事でありますように。そして、全員で笑えますように。。続き気になる！！ (2020年6月28日 17時) (
レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - 櫻宮さん» いつもコメントありがとうございます。やっと黒幕と対峙し、お話も佳境です。結末まで、もう少し…かな？笑 (2020年6月27日 7時) (レス) id: bdb041c54a (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - サトシとマサキじゃなくてサトシたちとカズたち会えると良いですね。 (2020年6月25日 15時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 何だか凄く泣けますね。サトシとマサキ無事会えると良いですね。 (2020年6月25日 12時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - 櫻宮さん» 今日は少し多めの５話更新です…！コロナも先が見えずに暗くなりがちですが、嵐さんを見て私も癒されています♪私も「Wash your hands」で楽しみながら手洗いしていますよ〜 (2020年6月24日 21時) (レス) id: bdb041c54a (このIDを非表示/違反報告)
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