もう離さない ページ26
しばらくの間、ぎゅっとされるがまま。
嬉しそうに俺に抱きつく雅紀さんは、なんだか大型犬みたいだ。
「熱い抱擁のところ申し訳ないんですけど、俺もいるんで。」
見かねたニノが呆れたようにそう言って、グイッと俺の腕を引っ張る。
「わ、とと…」
俺はよろけてバランスを崩して、ニノに抱き留められた。
「ご、め…」
慌てて離れようと体を起こすと、ニノの表情が見えて…
「ニノ？」
思わず名前を読んでしまうほど、ニノの表情は厳しかった。
犬みたいな童顔には似合わないしかめっ面だったけど、俺に呼ばれるとハッとして
「ん、なに？」
って普通に聞いてくる。
その顔はいつも通りに戻っていて、まるでさっきのが見間違いだったみたいだ。
「いや…どうした？」
「なにが？」
聞いちゃいけないのか。
教えるほどでもないことなのか。
あの表情は、全くそうは見えなかったけど…
「ん、いや、なんでもない。早く行こう。」
それでも俺は、ニノを信じているから。
俺は頭を振ってこの話を終わりにし、雅紀さんとニノの方へと向き直った。
「おーい、ジュン！」
天井裏へ呼びかけると、ひょっこり顔を出すジュン。
「わ…潤が、2人？」
雅紀さんが驚いて、目をパチパチさせる。
「今更驚くことでもないだろ。」
ジュンが呆れてそう呟き、ふわりと音もなくこっちへ降りてきた。
「…マサキとは、似ても似つかねえな。こんなに笑うようなやつでもなかった。」
ジュンは懐かしそうに目を細め
雅紀さんへゆっくりと手を伸ばして、その髪をそっと指先で触った。
「…でも、人一倍優しくて、誰よりも仲間のことを思ってた。そこはそっくりだ。」
すうっ…と雅紀さんの体が淡く緑色に光り始める。
雅紀さんは少し戸惑っているように瞳を揺らしたけど、抵抗はしなかった。
「…いいよ、行っておいでよ。」
緑の光に包まれた雅紀さんが、小さく笑って呟くと
パァッと一際強い緑の光が一瞬部屋に広がって。
「ジュン…なのか？」
その光が収まった時には、ホログラムのような雅紀さん…じゃなくて、驚いた表情をしたマサキがいた。
「ジュン…！」
名前を呼び、長い腕でジュンを抱きしめるマサキ。
先ほどまでの俺たちを見ているみたいだ。
「マサキ、久しぶり。会いたかったよ…」
「俺も、ずっと…ずっとそう思ってた。
ずっとみんなで一緒にいたかったから…」
マサキは肩を震わせながら、静かに涙を流していた。
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櫻宮 - なんか…嫌な感じですが。5人(+1人？)ならきっと乗り越えられると信じてます。。全員無事でありますように。そして、全員で笑えますように。。続き気になる！！ (2020年6月28日 17時) (
レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - 櫻宮さん» いつもコメントありがとうございます。やっと黒幕と対峙し、お話も佳境です。結末まで、もう少し…かな？笑 (2020年6月27日 7時) (レス) id: bdb041c54a (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - サトシとマサキじゃなくてサトシたちとカズたち会えると良いですね。 (2020年6月25日 15時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 何だか凄く泣けますね。サトシとマサキ無事会えると良いですね。 (2020年6月25日 12時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - 櫻宮さん» 今日は少し多めの５話更新です…！コロナも先が見えずに暗くなりがちですが、嵐さんを見て私も癒されています♪私も「Wash your hands」で楽しみながら手洗いしていますよ〜 (2020年6月24日 21時) (レス) id: bdb041c54a (このIDを非表示/違反報告)
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