禍々しい白 ページ17
…どのくらいの時間が経ったのか。
「…う。」
目を覚ましたはいいものの、視界は点滅して頭痛と吐き気がすごい。
俺はしばらくじっとして、気分がある程度回復するまで待った。
「…ふぅ。」
目覚めて初めて視界もクリアになり、周りの景色も見えてきた。
「…ここ、どこだ？」
白い壁に白い床。
6畳くらいの広さの部屋。
見覚えのない景色に警戒して、無意識に体を固くした。
手首には手錠のような金属の輪っかがはめられていて、足もそう。
けど両手と違うのは、足は繋がっていなくて歩くことはできた。
「…みんなは？」
部屋には俺1人。
緊張してゴクリと唾を飲んだ。
「…あ。」
そういえば、首を撃たれたんだった。
そっとその箇所に手を当てると、包帯のような布が巻かれている。
…あれ、何だったんだろう？
不思議に思いながらも、ゆっくりと立ち上がって歩いてみる。
「智さん…、智さん！」
テレパシーを持つ智さんに呼びかけてみるけど、応答なし。
はぁ…とため息をつくほかない。
今置かれている状況を整理して考えてみても
何が起きたのかは、想像に難くない。
俺は政府の奴らに捕まって、最悪の場合みんなも…
俺はふるふると首を振ると、ぎゅっと目を瞑った。
…大丈夫。みんなも無事に決まっている。
もう一度ゆっくりと深呼吸をして、俺は目を開けた。
…まずは状況を確認しなくては。
目の前に白いドアがひとつ。
高さは2メートルくらい。
窓はなくて、天井には白いライトと通気口みたいな格子がはめられた穴がある。
天井までは3メートルないくらい。
軽くジャンプをしても届かないけど、多分能力を使えば手は届きそう。
…どうしたもんかな。
空間のあまりの白さに目をパチパチさせて、天井を見ながら考える。
壁の材質は何かわからないけど、ツルツルしていて引っかかりはない。
「…ん？」
天井の隅に気になる物を発見して、キュッと瞳を絞る。
黒いプラスチックっぽい半球体のようなものが、不気味な光を帯びてこちらを向いている。
「ああ…」
調べてみなくてもわかる。
あれは監視カメラだ。
「ふぅ…」
やれやれと首を振って、そのまましゃがみ込む。
そして1人、ニヤリと笑った。
…大人しくこのまま諦める？
そんな選択肢は俺にはない。
「見てろ…」
燃えるように体が熱くなる。
…俺は、超人的な感覚を持つ能力者なんだ。
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櫻宮 - なんか…嫌な感じですが。5人(+1人？)ならきっと乗り越えられると信じてます。。全員無事でありますように。そして、全員で笑えますように。。続き気になる！！ (2020年6月28日 17時) (
レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - 櫻宮さん» いつもコメントありがとうございます。やっと黒幕と対峙し、お話も佳境です。結末まで、もう少し…かな？笑 (2020年6月27日 7時) (レス) id: bdb041c54a (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - サトシとマサキじゃなくてサトシたちとカズたち会えると良いですね。 (2020年6月25日 15時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 何だか凄く泣けますね。サトシとマサキ無事会えると良いですね。 (2020年6月25日 12時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - 櫻宮さん» 今日は少し多めの５話更新です…！コロナも先が見えずに暗くなりがちですが、嵐さんを見て私も癒されています♪私も「Wash your hands」で楽しみながら手洗いしていますよ〜 (2020年6月24日 21時) (レス) id: bdb041c54a (このIDを非表示/違反報告)
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