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大野side
「んーっ…」
桜舞う日曜日…って言っても、俺にはあんまり曜日の感覚はないんだけど。
予報では、近所の公園は今日満開で、かつ天気も良いらしく、最高の条件でお花見ができるらしく翔くんが誘ってくれた。
「今日は調子良くてよかった…
一緒に花粉症の薬飲んでたもんね！」
「やっ、やめろよ…」
クシャクシャと潤の髪を雅紀が撫で、潤も不満そうなことを言ってはいるけど嬉しそうで。
楽しんでるみたいでよかった。
「ふわぁ…こうあったかいと眠たくなってきますよねぇ…」
和は和でお花見楽しんでるみたいだし。
翔くんはそんなみんなを嬉しそうに見ている。
ざあっ…と桜が舞って、みんなの視線が花びらを追う。
「綺麗だねぇ…」
翔くんが、はぁ…と感嘆の溜息をついた。
…
お昼が少し過ぎた頃。
「お弁当！作ってきたから食べよう！」
雅紀がお弁当箱を取り出し、シートの上に広げた。
おにぎり、唐揚げ、卵焼き、ウインナー、ハンバーグ、エビフライ、トマト、ブロッコリー…
美味しそうなおかずが、お弁当箱の中に所狭しと並んでいた。
「美味そう♪」
翔くんが手を合わせて目をキラキラ輝かせる。
「今日はね、潤も手伝ってくれたから！
すっごく助かった！ありがと！」
雅紀が言うと、潤は真っ赤になって照れていた。
「美味い〜！」
翔くんは夢中になっておかずを頬張っているし
「美味しいです♪」
基本的にあんまり多くは食べない和も、もぐもぐと口いっぱいに入れて満足そう。
「リーダー、どう？」
「うん、美味いよ！」
俺が答えると、雅紀と潤は嬉しそうに笑った。
…
ご飯を食べ終えると、それぞれ思い思いに過ごし始めた。
雅紀と和と潤は仲良くキャッチボールをし始め、翔くんはそんな3人を眺めつつ写真を撮っている。
俺もぼーっとしていると何だか眠くなってきて
ふわぁーっとあくびをすると翔くんに笑われた。
「ふふ、智くん眠くなった？」
「そりゃ、お腹いっぱい食べて、こんなにあったかいんだもん…
眠くもなるよ…」
春風が吹いて俺の髪を撫でていくのも心地よい。
ちょっと昼寝でもしようかな…とシートの上に寝転がった…んだけど
一瞬視界に映ったモノが気になって、俺はもう一度起き上がった。
「…うそ。」
数日前見かけた、あの女性が…いる。
立ち上がって、俺は駆け出した。
「え、ちょっと…智くん！」
翔くんの声は、俺には聞こえていなかった。
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