☆ ページ16
月や星が太陽と同じく東から西へと動くこと
見える星は季節によって違うこと
天動説や地動説
いろいろな話をしてひと段落した時、ジュンがキラキラした目をして手を挙げた。
「翔さん、俺、星座見たい！」
…言うと思った。
「…だめ？」
何も言わない俺に、ちらりと上目遣いで見上げてくるジュン。
無自覚でやっているんだろうけど、目を合わせられないくらいかわいい…
この、無自覚天使め。
「そう言うと思って、よく見えるスポットを探してるから。」
そう言うと、やった！と飛び上がるジュン。
実際に見てくれた方が淡々と学ぶより断然いいし、もし実際に見たいと言われなくても見せようと思ってたけど。
好奇心旺盛なジュンのことだから、そんなことはないだろうと踏んでいたけど、当たったみたいだ。
「カズはどうする？」
「んー…」
ペラペラと何の気なしにページをめくってるカズ。
迷ってるように言うけど、実際答えは決まってるんじゃないだろうか。
「僕も行く。」
「えっ」
…意外すぎて、声が出ちゃった。
インドア中のインドアのカズだから、てっきり行かないんだろうと思ってた。
「…何か問題？」
「いやいや！カズが来るの意外だなーって！」
不満そうに眉をひそめるカズに、気が変わってはいけないと俺は慌てて笑顔を見せた。
「やったあ！綺麗な星一緒に見ようね♪」
「ふふ、ジュンくんはしゃぎすぎないようにね？」
ジュンが嬉しそうに笑うのを見て、カズも嬉しそうに微笑む。
…まあ、そういうことだろうな。
きゃいきゃい楽しそうにしてる2人を見ると、不思議と俺も嬉しくなるしね。
「じゃあ、場所は調べておくから。見つかったらまた言うな？」
俺がそう伝えると、はーい！と元気の良い返事が返ってきた。
「じゃ、今日の勉強はここまで。お疲れ様でした。」
「「ありがとうございました！」」
そんなこんなで、本日の授業は幕を閉じた。
……
「星を見にいく？」
目の前に座る智くんが俺の言葉をそのまま返してきた。
「うん、だから良いスポット知らないかなって…」
智くんが小さく唸る。
「これといった場所は分かんねえなあ…
綺麗だなあとは思うけど、星の知識もあんまりないし。」
「そっか…ありがとう。」
すまなそうに眉を下げる智くんにお礼を告げる。
「ちなみに、星が見えるとこって具体的にどういうところ？」
その質問に答えようとした瞬間、疾風の如く何かが部屋へと飛び込んできた。
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