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episode…9 ページ10

『それは、交通事故だったの。
トラックが凍っているところでスリップして…


誰のせいでもないって分かってる。


でも!


私が遅れなければ。
私がもっと早く行っていればなって


今でも後悔してる。』




正直、ここまで悲しい話だと思わなかった。

ここでやっと栄坂が言っていた意味がわかった

"相当なことが無い限り、振り向かない"


樋山は今でも、
その涼太くんを愛していて…。



俺は、気持ちを止められなくなった。



俺は、樋山を抱きしめていた。

「…もう、抱え込むな。
その彼だって、そんなこと望んでねーよ。」


『…あ、あの…。』


はっと、我に返り、


「ごめん!偉そうなこと言って」

彼女を離してそう言うと、



『ううん。御幸くんに聞いてもらえたおかげで
少し楽になれたし…


ありがとう。話を聞いてくれて』




微笑む彼女を見て、

やっぱり俺は、諦められるとは思えなかった。

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作者名:咲亜嵐 | 作成日時:2015年5月30日 20時

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