episode…8 ページ9
"樋山の中学の時のこと知りたい。"
『い、いきなりどうして?』
「…話したくないなら無理に
話さなくてもいいけど、
その、"涼太"くんって中学時代の
彼氏かなーとか思って…。」
私。涼太なんて言ってたんだ…。
『わかった。話すよ。』
あれは、中2の冬だった。
私は幼馴染みの七見涼太(ななみりょうた)
と付き合っていた。
涼太はもちろん野球部。
この地区でNo.1と言われるほどの
ピッチャーだった。
「A。明日、久々のオフだけど…
どっか行く?」
『うん!』
野球に集中する時はほんとに集中してて、
でも、私と一緒にいる時は
しっかりと私の事を考えてくれてた。
「じゃあ、明日、○○駅のとこでね」
『ばいばーい!』
その次の日、私は張り切っていた。
何を着て行こうか、
どうしたら涼太は可愛いって思ってくれるかな
とにかく、必死だった。
そのせいで、待ち合わせ時間に遅れてしまった
メールで涼太に
『ごめん!10分くらい遅れちゃう!』
と、送るとすぐに
「じゃあ、俺そっちのほう向かうよ。」
とメールが来ていた。
私は、急いで走りながら
『すぐ着くから大丈夫だよ!』
と送った。
…けど、そのメールは届かなかった。
駅前のロータリーに
人だかりが出来ていた。
私は、妙な胸騒ぎがして
そこへかけて行った。
そこで涼太は帰らぬ人となった。
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作者名:咲亜嵐 | 作成日時:2015年5月30日 20時