【ダイヤのA】ふたりの想い (ページ8)

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「そいつ、俺のもんだから」

樋山が捕まっているのを見て、
咄嗟にそう言ってしまった。

でも、相手は諦めようとしなかったから
俺は樋山の手を掴み、
屋上へと走って行った。

私は、気付いた時には、屋上にいた。
これも、前と一緒だ。

「あっちー、走り過ぎたー。
樋山、大丈夫か？」

大丈夫？と声を掛けてくる…。

『……涼太…。』

「…え…。」

樋山は確かに"涼太"と言った。

俺が不思議そうに言うから気付いたのか
ハッとして、

『ごめんね、助けてくれてありがとう』

と言ってきた。

一瞬、御幸くんと涼太の影が重なった。

言う言葉、仕草、ひとつひとつが、
なんとなく似ている点があったからだ。

「全然！困ったことあればすぐ言えよなー？」

と言ってくれる御幸くん。

『お礼になんかしたいんだけど…。』

そう言うと、御幸くんはうーんと
唸り始めた。

けど、すぐに決まったっぽく、

「なんでもあり？」

と聞いてきた。

『私ができる事なら何でもいいよ！』

とそう言った。
すると、思いがけないことを聞かれた。

「樋山の中学の時のこと知りたい。」