女と犬と小道 その2 ページ38
彼女は岸辺露伴の提案を拒否し、私たちに背を向けながら言う。
「ダメダメ!説明だけじゃあわからないのよ!案内してあげるからついて来て!」
康一くんと岸辺露伴は互いに顔を見合わせる。
いや、顔というよりかは目と言うべきなのかも知れないが。
「道に迷ったのはスタンドの攻撃じゃあなくて・・・・・・やっぱり、ただ迷っただけなのかなあ・・・・・・」
「とにかく彼女について行こうか・・・・・・彼女はスタンド使いではない。それは確かだぜ・・・・・・信用していい」
文句はないよな?と言う彼に私も頷くしかない。
この場所から脱出できる術を知っているのは彼女しかいないのだから。
少し歩くと不意に彼女はついていく私たちを見てから箱を差し出した。
よく見ればポッキーの箱だ。
「食べる?」
彼女に対する返事はここで全員一致する。無言で首を横に振るという拒否だった。
「いらないの?じゃあ〜ためしにそっちの端を持って!」
ポッキーのチョコがついている方が岸辺露伴に向けられる。首を傾げてから彼は素直に端を持つがチョコレートのかかっている真ん中あたりで折れた。
その結果に杉本鈴美は笑う。
「あっあ〜♪あなた女の子にフラレるわよっ」
彼女とは正反対に岸辺露伴は笑わない。引きつったような笑いなら顔に浮かべてはいるが。
「なんだ?この女・・・・・・」
そりゃ素直にポッキーの端を持った結果が女の子にフラレるなのだから反応としては妥当である。
「ポッキー占いよ。占い信じる?折れた感じで占うの・・・・・・あなたワガママでしょう?それも、けっこう人をひっかき回す性格ね。フラレる原因はそれよ」
おいおいと占われた側が康一くんの肩に腕をまわしながらへらへらと言う。
酔っぱらいに絡まれてるみたいでもある。
「ポッキー占いだァ?聞いたか康一くん・・・・・・ぜんぜん当たってないよなあ〜、ぼくがワガママだってさ!?」
残念ながら大当たりだ。
なんて思っていたら、岸辺露伴の表情が変わる。
「そんなんだったら、ぼくだって知ってるさ。うすいピンクのマニキュアの女の子は”恋に臆病””肝心なところで本当の恋を逃す”」
彼女の手を指差しながら彼はそう言った。
「・・・・・・ウソよ」
当てられて困惑している彼女。どうも当たっているらしい。
『それ占いじゃなくて心理テストだったような?』
「まあ、彼女は恋でなくとも今・・・・・・何かを恐れているだろう?」
図星だったのか、彼女は背を向けた。
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妹者 - 凄く面白いです!お話の続きが気になります。更新頑張って下さい! (2018年8月18日 23時) (レス) id: 2e9f8a8485 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫歳花(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!凄く面白くて楽しかったです。これからも頑張ってください!!! (2018年4月5日 3時) (レス) id: ae43b29bb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シマエナガ | 作成日時:2017年8月26日 16時