小道へようこそ ページ33
銀行で必要最低限のお金をおろして、何か買うものあったっけ？と思いつつ通りを歩いていた。
『え？』
目に止まったのはお店ではなく、商品でも広告でもない。
人物である。
バランを頭につけた男と学生服の少年。
岸辺露伴と広瀬康一くんだった。
あれだけ仗助に痛めつけられたのに(主に髪型を貶したからだが)懲りていないのか？
声をかけるべきか否か悩んでいると、康一くんが私に気が付いた。
「あっ！Aさーん！」
手招きされたのでとりあえず彼のところに行くことに。
どうやら町内地図を見ているらしい。
「・・・・・・百鬼Aか。確認するなら人数は多いほうがいい」
『確認？』
「この町内地図を見てくれ。とても奇妙なんだよ」
『奇妙、ですか？』
言いたいことが理解できずに首をかしげる。
「先生の指差すところを覚えてください、Aさん」
じっと岸辺露伴が指差していく。どうやらこの私たちがいる反対側の通りのことらしい。
右からそば屋「有す川」、薬屋「ドラッグのキサラ」、コンビニの「オーソン」と地図にある。
「今度は実際の場所を見てくれ」
言われるがままに見る。
お店は特に変わっていない。
それは町内地図に表記された通りにある。
ただ、薬屋とコンビニの間に道があることを除けば。
「じゃあ、僕は塾に行かなくちゃあいけないから・・・・・・」
そう言って立ち去ろうとした康一くんを岸辺露伴が止める。
「今年の4月に発行された国土地図書院発行、杜王町三千分の一にも載ってないんだぜ。あの道」
「地図のミスをみつけると図書券がもらえることがあるんですよ！」
よかったですねと康一くんが言うと岸辺露伴が少し黙ったあとにこう言う。
「ちょいと行ってみないか？この辺道案内してくれるとありがたいんだが」
『私は引っ越してきたばかりで』
「僕は塾が・・・・・・」
「この岸辺露伴が頭をさげて頼んでいるのに・・・・・・ふ〜ん。そうかい！君たちはたった数10メートル歩くだけのことを断るのか」
どこで頭をさげたんだ。
なんて思いつつ、私と康一くんは互いに顔を見合わせる。
『どうするの？』
「一緒に行ったほうがいいですよ、たぶん」
諦めがいい学生2人と大人気ない大人が1人。
「5分だけですよ！露伴先生〜！」
私たちは道に入って行った。
赤い郵便ポストの近くに犬のフン。
あれ・・・・・・ここ、どこかで見たような？
ぼやけていた記憶が鮮明になる。
ここは夢でみた場所だ。
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妹者 - 凄く面白いです！お話の続きが気になります。更新頑張って下さい！ (2018年8月18日 23時) (
レス) id: 2e9f8a8485 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫歳花(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!凄く面白くて楽しかったです。これからも頑張ってください!!! (2018年4月5日 3時) (レス) id: ae43b29bb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シマエナガ | 作成日時：2017年8月26日 16時
