仗助の過去 ページ31
こっちに仗助が投げ飛ばした椅子を避ける。
康一くんの言葉に、岸辺露伴がなんだってと呻いた。
本棚の下敷きになっている彼の方へ私たちは視線を向ける。
「こ・・・・・・康一くんも知らなかった”仗助の性格”・・・・・・だと?つまりファイルには載っていない情報!」
岸辺露伴のスタンド、ヘブンズ・ドアーの能力は人を資料にすることが出来る。
しかし、その人が知っている情報しか読むことが出来ないということらしい。
「なぜ・・・・・・だ?髪型のことでなぜあそこまで怒るんだ・・・・・・?なんか理由があるはずだ・・・・・・なぜ?」
君たちは知らないのか、と岸辺露伴は問う。
確かに疑問に思ったことはなかったけど、何も見えなくなるぐらいにまで逆上するとなるとその理由は気になる。
「けなすやつあ、ゆるさねえ〜!何者ンだろーと黙っちゃいねえッ!」
そう言う仗助を見た後、不意に康一くんがもしかしてと首を捻った。
『知ってるの?』
「いや、その・・・・・・知ってるというか、髪型の理由・・・・・・前にチラッと聞いたことがあるよ」
『そうなの?』
「うん・・・・・・ひょっとすると、あれが理由だと思う・・・・・・」
康一くんは今、思い返してみればの話だからね、と前置きをしてぽつぽつと話し出した。
――仗助くんが子供の時の話。
仗助くんは4歳の時、突然原因不明の高熱に倒れ、50日間・・・・・・生死をさまよいました。
そう、それは”ディオ”という男を倒しに承太郎さんとジョースターさんがエジプトへ向かった時と一致し!
承太郎さんのお母さんが高熱に倒れた時と一致し・・・・・・億泰くんのお父さんが”肉の芽”をディオに植えつけられた時と一致する時のことなのです。
高熱の原因が何なのかわからない仗助くんのお母さんは、夜、S市内の病院へ連れて行こうとくるまで向かったのですが・・・・・・。
その冬の日は杜王町18年ぶりの大雪・・・・・・スノーチェーンをつけているにもかかわらず、車輪が雪にとられてむなしく空回りするだけ。
前にも後にも進まなくなったのです。
近くの電話を使おうと考えた仗助くんのお母さんは辺りを見て青ざめました。
杜王町は当時、まだ開発中で現在ほど住宅や交通量が多くなく、しかもそこは農道であと1〜2キロは民家のない所だったのです!
その時です。
ふとお母さんがバックミラーを見ると雪の降る夜道に、学ランを着た少年が車をのぞきこんで立っていたのです。
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妹者 - 凄く面白いです!お話の続きが気になります。更新頑張って下さい! (2018年8月18日 23時) (レス) id: 2e9f8a8485 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫歳花(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!凄く面白くて楽しかったです。これからも頑張ってください!!! (2018年4月5日 3時) (レス) id: ae43b29bb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シマエナガ | 作成日時:2017年8月26日 16時