漫画家のうちへ遊びに行こう その7 ページ29
目を閉じた仗助が岸辺露伴の攻撃を回避した。
投げられたものが私の頭上を飛んでいって、壁にぶつかった。
乾いた音を立てて床に転がったそれはGペンのペン先だった。
「えっ!?」
「よ、避けたあ!?」
康一くんと億泰が声をあげる。
「――百鬼Aか!」
チッと舌打ちをする岸辺露伴。
ぐいっと糸を引いて仗助を岸辺露伴の前へと走らせる。
「やばいな・・・・・・このまま突っ込まれたらやられてしまうじゃあないか・・・・・・」
「行けーッ!仗助くんッ!」
「仗助ェーッ!早くしろぉッ!!」
その時、岸辺露伴がハッと顔を机の上に置いていたファイルの一部を手に取った。
ぶつぶつと何か独り言を言いながら資料に目を通す。
そして、彼はにやりと笑って言う。
「あったぞ!これだよッ!」
資料を見ながら大声で、口にする。
「君のヘアスタイル笑っちまうぞ仗助ェッ!20〜30年前の古くさいセンスなんじゃあないのォ〜!!カッコイイと思ってんのかよォ〜・・・・・・かな?」
「えっ!?」
「なんつった今!?」
彼の発言に顔を蒼くする2人。
『あっちゃぁー』
頭を抱える1人。
「こう言われると”キれる”んだよな・・・・・・!信じられない性格だが・・・・・・ファイルは嘘をつかない。100%の真実だ」
勝利を確信した1人。
糸で引っ張っていた仗助がピタリとその動きを止めた。
動かないのだ。
このまま仗助につけた糸を岸辺露伴に付け替えるべきか・・・・・・?
いや、このままだと私が糸に引っ張られて仗助に振り回されるのが先だろうなと思ったので大人しく糸から仗助を放す。
「まっまさかァ〜ッ!」
「ああああっ!!うそだろォ!こんな時にィッ!」
2人のこの声とほぼ同時に仗助は目を開けた。
「開いたね・・・・・・」
椅子から立ち上がることもせず、彼は静かに言う。
しかし今にもクレイジー・ダイヤモンドを叩き込むかもしれない仗助は吠える。
「もう一ペン言ってみろッ!コラアッ!」
「もう一ペン言ってみろ、だと?いいだろう!・・・・・・耳元で何ベンでも言ってやるよ」
そう言って、岸辺露伴は椅子から立って仗助に近づく。
「おまえのその髪型な・・・・・・自分ではカッコいいと思っているようだけど・・・・・・ぜェーんぜん似合ってないよ、”ダサイ”ねェ!!」
ダサイを強調しにやにやと笑いながら、彼は言葉通りに言う。
「今どきいるのか!こんなやつって感じだよ・・・・・・」
仗助の肩が怒りで震えた。
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妹者 - 凄く面白いです!お話の続きが気になります。更新頑張って下さい! (2018年8月18日 23時) (レス) id: 2e9f8a8485 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫歳花(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!凄く面白くて楽しかったです。これからも頑張ってください!!! (2018年4月5日 3時) (レス) id: ae43b29bb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シマエナガ | 作成日時:2017年8月26日 16時