漫画家のうちへ遊びに行こう その4 ページ25
「スタンド名はザ・ハンド。君は兄の形兆にコンプレックスを抱いており、何かを決断する時、いつも・・・・・・」
間を置いて漫画家は言う。
「こんな時、兄貴だったらどうするかなあ〜と思っている」
億泰が息を飲んだ。
康一くんが漫画家に、いや、ただの有名漫画家だと思っていた人に・・・・・・一般人に易々と”スタンド”のことを話す訳がない。
あの漫画家、岸辺露伴がスタンド使いであることは確かだ。
「何だ?こいつはあ〜!何者ンだぁ〜っ!おい康一、こいつのスタンドの正体を教えろ!」
「そ、それが!!」
億泰が康一くんに問うが彼は床を見て肩を震わせる。
誰だってこの状況なら漫画家のスタンドの正体や能力を言うだろう。
しかし、康一くんは答えない。
本のようにされているだけ、ではないみたいだ。
本にされた、つまり読めるということ。
おそらく康一くんが知っているスタンド使いの情報を岸辺露伴が読んだから、億泰のことを事前に知っていた。
ただ、それだと彼が岸辺露伴に攻撃しない理由に繋がらない。
・・・・・・命令されているのか?
だとすれば”どうやって”?
ただ問題なのは、相手が”どのようにして”本にするのか、だ。
スタンドに触れられると本にされるのか、もしくは条件を満たした時に本にされるのか、分からない。
岸辺露伴が座っている椅子がくるりと回って億泰と向かい合う形になる。
「おいッ!動くなっつってんだぞーッ!」
「億泰くん・・・・・・君には興味なかったが、この家に来ちまったものはしょうがない・・・・・・君も”資料”にしとかなくてはな!」
はっとした康一くんが顔を上げ、何かを察した億泰はザ・ハンドで殴りにかかった。
が、岸辺露伴は近くにあった原稿用紙を手に持ち椅子に座ったまま、ザ・ハンドに見せつけた。
殴られるより速く。
けれど、原稿用紙ごと殴ってしまえば岸辺露伴の顔面を億泰のスタンドが捉える。
しかしそうはいかなかった。
原稿用紙を見た億泰の体が、ばらばらと本・・・・・・いや資料にされたからだ。
「おああああああああああ!!」
足や腕が巻物のようになって、億泰は床に崩れ落ちたのである。
彼の叫びが私と仗助の耳に届く。
ぎい、と椅子が回転する。
億泰には目もくれず、岸辺露伴はこちらの方へ顔を向けて言った。
「東方仗助、百鬼A・・・・・・そこにいるな・・・・・・」
仗助は下唇を歯でかんでいて、私は糸の入ったポーチに手をかけた。
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妹者 - 凄く面白いです!お話の続きが気になります。更新頑張って下さい! (2018年8月18日 23時) (レス) id: 2e9f8a8485 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫歳花(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!凄く面白くて楽しかったです。これからも頑張ってください!!! (2018年4月5日 3時) (レス) id: ae43b29bb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シマエナガ | 作成日時:2017年8月26日 16時