外食 ページ18
赤ちゃんを預かった翌日。
ようするに次の日だ。
イタリア料理のお店にやってきた。
トラサルディーという名前のお店で、私と兄さんが承太郎さんに野原に呼び出された時に見つけたんだそうだ。
そう説明をしながら億泰はお店のドアを押す。
チャリーンとドアにつけられたベルが鳴る。
テーブルが2つ。椅子は6つ。
「いらっしゃいマセ」
奥から1人の男性が姿を見せる。
「トニオさん、また来たぜえ〜」
コック帽をつけた男性に億泰は私たちを彼に紹介する。
「こっちが俺の兄貴で、こっちは家主のAだ」
「虹村形兆だ、弟が世話になってる」
『百鬼Aです』
「ワタシ「イタリア人」でス。トニオ・トラサルディーといいます」
ぺこりとみんなで会釈をした後、彼はにこりと笑顔を見せる。
「トニオと呼んでください。さ！お席へドーゾ」
椅子を引いて、彼は私たちを席に座らせると億泰の両手を見始めた。
『何してるの？』
「トニオさんに体調をみてもらってんだぜぇ」
「フム・・・・・・睡眠不足と右肩がコッていますネ」
嬉しそうに億泰は「せーかいっ」と言う。
「お兄さんの手もみせて・・・・・・フムフム、アナタも睡眠不足でス。両肩がコッていますネ・・・・・・胃の壁が荒れてイマス。それに腰を少し痛めてますネ」
少し兄さんの顔が強張る。
どうやら当たっているらしい。
「次はお嬢さんの手を・・・・・・アナタも睡眠不足ですネ。肌の調子が良くないでス、フムフム」
分かりマシタ、と言うとグラスに水を注ぐ。
デハ、と言って彼は奥に引っ込んだ。
まあこの後、出てきた料理を食べると疲れとか肩こりとか解消されたんだけれど、かなりショッキングな映像となったので割愛させてもらおう。
『まさか涙があんなに流れたり、垢が異常なぐらい出たり、皮膚がはがれたりするとは思わなかった・・・・・・』
食後のお茶を待ちながら、私はお腹をさする億泰を見る。
満足したという幸せそうな顔をしていた。
「つーかよお、Aって睡眠不足だったんだなあ」
意外、と言いたげに億泰が言う。
『そりゃあ・・・・・・アンジェロの時とかレッチリの時とか、常に警戒してたからね』
身体は慣れていても、やはり疲れは蓄積される。
最近は仕事がないからしっかり寝ることが出来てるけど、熟睡とまではいかない。
眠りが浅いのだ。
夜中に起きることだって多い。
『神経を尖らせて、周りを常に警戒するのはかなり疲れるんだよ』
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妹者 - 凄く面白いです！お話の続きが気になります。更新頑張って下さい！ (2018年8月18日 23時) (
レス) id: 2e9f8a8485 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫歳花(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!凄く面白くて楽しかったです。これからも頑張ってください!!! (2018年4月5日 3時) (レス) id: ae43b29bb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シマエナガ | 作成日時：2017年8月26日 16時
