赤ん坊 その2 ページ15
柔らかくて、滑らかな肌と体温。
私の両親は私を抱いたとき、何を思ったんだろう？
幸せだったんだろうか？
もし両親が私のせいで死んだと恨んでいたら？
私がスタンド能力を身につけさえしなければ、生きていられたと思っているのかもしれない。
ソファに身を預けて、腕の中ですやすやと寝息を立てる赤ちゃんを見ながらふと、私はそんなことを考えた。
そっと私のベッドに寝かせる、リビングに行くと仗助が水を持ってきてくれた。
『ありがと』
「とりあえず、一息だな」
『だねー』
コップの水を飲み干す。
「・・・・・・疲れたか？」
『そんな顔してる？』
「いや、なんか表情が暗いっつーか」
そんなことないよ、と言って近くのテーブルに空のコップを置いた。
「A、ちょっといいか？」
『なんなりと』
仗助がソファに腰掛け、隣をぽんぽんと手で軽く叩く。
ここに座れ、と言いたいらしい。
言われたとおりにすると仗助は話を切り出した。
「もう、承太郎さんや康一に言ってもいいんじゃあねーの？」
『・・・・・・なにを？』
「俺たちの関係・・・・・・付き合ってることだよ」
『まだ言わない方がいい』
私がそういうと仗助は何か言いかけたが、口を閉じた。
『誤解はしないでほしいんだけどね、音石明やアンジェロの時みたいな状況じゃあなくなったことは分かってるよ』
目を閉じたまま続ける。
『ただ、まだ気を緩められないと言うべきなのかな。音石明が弓矢で何かしていないとも限らないし』
兄さんが弓矢で貫いた、スタンド使いが攻撃してこないとも言い切れない。
この町、杜王町の行方不明者が今年に入って81人。そのうち45人が少年少女。
流石に81人も兄さんが弓矢で貫いたとは思えない。
弓矢によってスタンド使いになった者が殺害していたり、もしくはただの家出で行方が分からないだけなのかもしれないが。
それでも81人は多すぎる。
なにか、得体のしれない何かが潜んでいるような気配を感じるのだ。
つん、と額を突かれる。
「わかった、わかったからよぉ。すぐに1人で考えるクセはどーにかしてくれ・・・・・・急に黙るなって」
少し口を尖らせた仗助が首を横に振った。
『んー気をつける』
「そーしてくれ」
互いに笑ったところで、私たちは自分たちが今日なにをすべきだったか思い出す。
私の部屋から、赤ちゃんの泣き声が響いたからだ。
『仗助、ミルク作っといて！』
赤ちゃんのお世話は大変なのである。
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妹者 - 凄く面白いです！お話の続きが気になります。更新頑張って下さい！ (2018年8月18日 23時) (
レス) id: 2e9f8a8485 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫歳花(プロフ) - 続編おめでとうございます!!!凄く面白くて楽しかったです。これからも頑張ってください!!! (2018年4月5日 3時) (レス) id: ae43b29bb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シマエナガ | 作成日時：2017年8月26日 16時
