WILD DOCTORS 16

報告します ページ42

えーっと、まず火事については、あの倉庫は間違いなく、美咲の今の父親の会社の所有です。

前にも言った通り、輸入雑貨の会社で、商品の一時置き場として港にありました。

原因は放火、火の気がないところで燃えて、しかも、火事の前に側の倉庫で荷卸していた人が爆発音みたいなものを聞いてます。

「犯人は？」

まだ捕まってません。ただ、その人達が爆発音の数分前にバイクが何台か走る音を聞いてます。
車の音なら気にはならないが、バイクは荷物も詰めないし、珍しいから覚えてたらしくて。

「バイクか。
怪しいな。爆弾仕掛て逃げる時間がいるからな。」

美咲の父親は仕事がらみでは評判もよく、恨みを買うような仕事の仕方はしてないそうです。
ただ、外面は言い分、家に帰って酒が入ると大声を出したりはあるようですが、手を上げたり、美咲に当たるようやことは無かったみたいですね。

「実の父親に会うのを嫌がるらしいけど。」

かなり、体外的なことを気にする性格らしいので、自分が、至らない父親だと見られるのを嫌がっていたのかも。

「実際の美咲との仲は？」

普通に継父と娘らしいです。特に仲がいいわけでもなく、母親の再婚相手だから父親という感じで美咲は接していて、父親は頑張ってはいてもやはりほんとの親とは違ってという感じで。

当たらず触らずだと近所のおばあちゃんから聞きました。

「鉢植えの事は？」

深夜、２時の見回りが終わると、次は、４時の見回りですよね？

「うん、２時間に一度のはず。」

その間に美咲はなにか袋なようなものを持って、中庭に行くんです。
中庭の花壇に穴を掘って、その袋から中身を捨てて埋めて、部屋へ帰ります。
見てみたら、今はエコの時代で、土に戻せる紙でできた鉢があるんで、それをちぎったものを埋めていました。

「だから、朝には鉢がないんだ！」

「でも、植物は？」

カメラに映るときに植物に見えればいいので、紙で作られたものでも良くて…折り紙、画用紙なら小さく折れば帰りに持ってきた奴が待って出れます。

「何を持ち込んでるの？」

まだ確信じゃないけど、何か手紙なような物を。
それを深夜に来る例の女友達に渡している。
美咲はつなぎですね。

「それが啓司の見た受け渡しじゃないか？」

「ありえるな。」

「いま、あの二人に繋がってる野郎たちを調べてるんで、もう少し時間ください。

「かじゅきすごーい♡」

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