先生、気づいて

寝不足 ページ11

ジリリリリッ
朝からうるさく鳴り響く目覚まし時計を止め、重い体を引きずる。
寝足りない。寝つきが悪く、睡眠時間がいつもの半分になってしまった。

こんな時に限って、体育があって、公民の授業でテストなんて。
あまりに宿題に時間をとってしまい、全然テスト勉強をしてない。
「おっはよー、雪菜！」
朝からハイテンションな真由。
「あ、おはよ……」

真由は、寝不足でもずっとエンジンフル稼働。
何でそんな体力と持久力があるのかわからないくらい。
「いやあ、今日の公民のテスト嫌だねぇ」
昨日は全然勉強してないよ、とのんきなことを言う。
「成績大丈夫なの？」
真剣な顔で、
「大丈夫っしょ！」
自信満々に答える真由。
……でも、多分無理だと思う。


体育の授業では散々だった。
器械運動をやったはいいものの、派手に転んで顔を地面にぶつけた。
おかげで顔が真っ黒に。
体育の先生も驚いて、慌てて私を保健室に連れて行った。

頭がガンガンと割れるように痛い。
「雪菜、大丈夫？」
真由がずっと、そばにいてくれている。
あれだけ盛大に転んで、いたるところに擦り傷を作ったんだ。心配してしまうだろう、私なら。
「まあ、頭は痛いけど」
「熱計ったら？」
「いえ、寝不足だからだと思います……」
保健の先生が慌てて言うけれど、寝不足の時って頭痛くなると思う。


よりによって、その次の授業が公民だった。
「じゃ、テスト始め！」
うー、頭痛い。
そしてテストの問題が読めない。
寝不足のせいか、目がかすんでいて小さい文字がぼやけて見える。
とりあえず根性でどうにかやり切ろう。

「雪菜、お疲れ」
「ありがと」
目をこすりながら、真由と話す。
「しかし、雪菜問題読めたの？」
「ううん、半分くらい読めてない」
流石にやばいかもね、と真由と言い合う。

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