先生、気づいて

お母さん ページ10

家に帰って宿題を終わらせると、
「雪菜、ご飯できたよ！」
お母さんの弾んだ声が聞こえてきた。
「はーい！」
私は元気に階段を下りていった。

「あら、今日は早いじゃない」
「だって、今日お腹すごい空いたんだもん」
言っていることが小学生レベルだ。何とかならないのか、この頭。
「しかし雪菜、最近学校に楽しそうに行くわね」

む、もしや感づかれてる？
三上先生に会うことと、真由と一緒にいることが楽しみで仕方がないという事。
「でもよかった。学校が嫌で仕方ない、なんて思っていないみたいだし」
何故か鼻歌を歌うお母さん。
「うん、真由と一緒にいるの楽しいもん」
「真由ちゃんのこと、大切にしなさいよ？」
こんな時にまで、あの心配性を発動させなくてもいいよと願う。
「お友達を大切にしないと、大変なことになるからね」



そう、いつもお母さんは友達を大切に、と繰り返す。
多分、お母さんが小さい頃に、何かをやらかしたんだと思う。
でなきゃ、普通の親以上に口を酸っぱくして言うはずがない。

……まあ、心配性な面もあるし、何とも言えないけれど。


だるい。とにかくだるい。
きっと、最近宿題が多すぎて眠れないからだ。
健康の面で、いろいろと問題が起きるんじゃないか？
学校と、そんな取り決めをしている機関に文句言いたい。

文句を言っていても仕方がない。
ただ時間が過ぎていくだけ。このままだと、宿題が終わらない。
「あーもう！」
愚痴をこぼしながら、いつもより多くの宿題を終わらせる。
問題集なんかは、答えを写してしまいたいくらい。
だって十ページ、ぎっしりと文字で埋まっているんだもん。
こんな量、次の日も普通に学校ある時に出さないでほしい。

まあ、こんな時でもお母さんは、
「そんなの仕方ないじゃないの」
とか何とかいうんだと思う。

寝不足→←罰ゲーム！？

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