先生、気づいて

罰ゲーム！？ ページ9

帰りの会が終わった。
「雪菜！」
まだ私は支度が終わっていないというのに、真由は行動が早い。
「帰りのしたくなんて、一分で終わるでしょ！」
と、真由は言っていた。

慌てて支度を終わらせたはずだが、結局あの後三分もかかってしまった。
「いつも何でそんなに時間がかかるの？」
「えっと……」
自分でもよくわからないから、説明のしようがない。
「今日、帰りにどこか行かない？」
「でもあまりお小遣い持ってないよ」
「なら、ゲーセンとかは？」

私たちの住む星谷市には、星谷駅の近くにさまざまな店が立ち並んでいる。
星谷市の中で一番大きなゲームセンター『サニー・ライフ』は、私たちのお気に入りのゲーセン。
学校帰りの学生がよく立ち寄る。
ちなみに、私と真由のお気に入りのゲーセンでもある。

「いざ行かん、サニー・ライフ！」
真由と一緒に、寄り道をするのも最近の楽しみだ。
一番の楽しみって訳では無いけれど、三上先生と話すことも楽しみの一つ。

ゲームセンター、サニー・ライフは異常なほど混雑していた。
「う、今日は例のアレ、ダメかな」
サニー・ライフには面白い仕組みがあり、パズルゲームで三位までに入ると、たくさんの景品がもらえたり、ユーフォ―キャッチャーが安く(何回か分は実質タダ)なる。
例えお金をあまり持っていなくても、ハイスコアさえ取れれば問題なし！
まぁ、ハイスコアをとれなければただ普通に遊ぶだけ。
でも、実際そのオプションを狙っている学生が大勢いる。

「じゃあさ、雪菜あれやれば？」
真由が指さす方を見ると、全問正解した人はいないと言われる、マニアックなクイズゲーム。
「えー、真由の方が答えられそうじゃん」
と言いつつ、プレイしてみる。


午後五時を少し過ぎたところで、私たちは外に出た。
ちなみに、私たちの両手にはソフトクリームが握られている。
「まさか、雪菜全問正解するとは」
「自分でもびっくりしちゃったよ。途中からは勘でやったもん」
真由はひっくり返りそうな勢いで
「え、勘で！？」
両手に持った景品をいくつか落としながら聞いてくる。
「うん」
ゲーム好きな三上先生は、あのクイズゲーム、知ってるかな。
明日話してみよう。

お母さん→←天然ではない

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す