槍使いの嫁の物語

第２７話　最終話 ページ29

「・・・生きる」





彼奴の腹の中で生きてくれていたこの子供と





俺を愛してくれた、新選組を大切にしていたAのために







俺の筋を通しながら生きる







「…あぁ、よかった！！！君がいてくれるだけでうれしいぞ…！！」





近藤さんはそれだけで泣いている


「ったく、近藤さんは涙脆い・・・なぁっ」




でも…俺もだな





「お前等、ありがとな」




「ほんとだよ左之さん…！！俺何とか元気出してもらいたいと思って
頑張ったんだからな！！」



「ま、けどそれは失敗したけどな平助」



「新八っつさんは別に大きなことしてねぇだろ！！俺は挑戦したんだよ！」



「おい平助、俺のカッコいい台詞覚えてねぇのか」



「覚えれるほど俺の頭はスカスカじゃなんでね！！」




心の入れ替わりが早いのか、それとも俺が生きると
言ったことがうれしかったのかわかんねぇけど、この二人とこれからも
馬鹿やりてぇと思った



「黙れねぇのか、新八、平助」



「う・・・」




「いいじゃないですか、土方君。騒ぎたくもなるでしょう」




「はぁ…そういう時だけあんたはそっちかよ・・・」






相変わらずの二人がいるし



「一君、今日すごく珍しかったね」



「・・・それはお前もだろう、総司」



「まぁね…でも」



「千鶴ちゃん、頑張ったね」




「・・・はい！！」





少し照れくさそうだ



でも俺はこいつに、こいつらに命を助けられた







「千鶴・・・お前は強いぜ」



「え…？」








「いや・・・なんでもねぇ」









・








・









・









・









・







俺は、土方さんに頼み込んで禁門の変に出させてくれた





不知火とやらにまた世話になったが、俺は戦った







懐には、一つの瓶があるから







心には大事な人がいるから







そして、俺の道があるから









闘える

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