第23話 耐えてたんだ ページ25
「あいつを墓に入れるとき見たんだよ...っ」
「....みた?」
土方さんは、言いにくそうに唇を噛んだ
「血が....血がついてたんだよ」
「.....血はついてるだろうな、そりゃあ」
じゃあなんだと俺は頭を抱える
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「子供がいたってことですよ。左之さん」
「総司...」
「お前、起きてていいのかよ....」
急に総司が部屋に入ってくることにまず驚いた
「まぁ、池田屋から3日たってますしね。それをいうなら僕の方ですよ」
「あぁ、そうか.....」
「で、左之さん。僕が言った言葉に疑問ないんですか?」
「!!.......」
俺は自分の中で整理するので精一杯だった
「土方さんもそんな言いにくいなら、女の子の千鶴ちゃんに
頼んでもらえばいいのに....不器用な人ですね、本当」
呆れたようにいう総司の目はどこか腫れているように見えた
「子供って....どういうことだっ!」
やっと整理がつき、カッと頭に血が上った
俺は一瞬の気持ちで土方さんの胸ぐらをつかんだ
土方さんは、申し訳ない顔をして俺をじっと見つけていた
「斬られることがない....どう見ても斬られてないところから血が出てた....」
「だから、雪村に見てもらったんだよ....!!そしたらよぉ.....っ」
「雪村の手に....ちいせぇ、小さすぎるっ人間の形にもなってねぇっ....ハッァ」
じっと見つめていた目が動き始め、迷っているようにみえた
俺はその次の言葉を待っていたら俺は土方さんに布団の方向へ
突き飛ばされた
それと同時に土方さんは叫ぶようにして、俺を見下ろす形で叫ぶように言った
「白い.......赤子が、いたんだよ.....!!」
「あいつの、細っこい体のなかで、はっきり目に見えるまで
赤子は成長してたんだよ...っ!!」
「あいつは、新選組のために、俺たちに迷惑をかけないように...
ギリギリまで、耐えてたんだっ.....」
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kirakirahikaru0(プロフ) - 涙がとまりません!!素敵な作品でした。 (2019年7月6日 22時) (レス) id: 094bc50104 (このIDを非表示/違反報告)
彩楓(プロフ) - 涙が止まりません!!このお話に出会えて本当に良かったです!これからも頑張ってください! (2016年10月11日 16時) (レス) id: e14b6601c7 (このIDを非表示/違反報告)
風峰蒼(プロフ) - LOVEさん» うわぁ...もう本当にありがとうございます!感謝の言葉でいっぱいです! (2015年9月27日 7時) (レス) id: dc78d8f89d (このIDを非表示/違反報告)
LOVE - 原田さんは頑張った!だから自分の道を生きてほしい!……………な、な、涙が止まりそうにありません!((涙 これからも頑張ってください! (2015年9月27日 3時) (レス) id: 111dfe4918 (このIDを非表示/違反報告)
風峰蒼(プロフ) - キユさん» ありがとうございます!まさか、こんなに泣いてくださる方がいるなんて驚きました!ありがとうございます! (2015年6月20日 21時) (レス) id: dc78d8f89d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬風青 | 作成日時:2014年12月22日 20時