槍使いの嫁の物語

第２１話　終わったな ページ23

「くそっ、池田屋のあとにお前とはきついなっﾊｧｯ」






新八も親指を怪我したと聞いた





今では満足に戦えるわけがない








「ありがとな、迷惑かけちまって」









今闘ってくれている奴に聞こえない程度で礼をいう








「原田Aィィィィィ！！」








俺の声を聴いた途端、戦っていた奴らは一斉に切りかかった







それと同じに俺も大きく足を踏み出した









「がっ・・・！！」









・









・









・








・









・






即死だった





最後の別れなどない









「・・・終わったな」







「あぁ、終わったっ」









流れ出る涙を止めることができなかった









千鶴はAの近くに寄ろうとするが土方さんに止められた









いいのに・・・よ








俺に気を遣わなくて








でも、やっぱり最後に顔みてぇよ









・









・









「ごめんな...」






皆は気を使ってくれ、部屋に戻ってくれた






その気遣いには感謝ねぇとな






「.........」









だんだんと冷たくなっていく体を抱きしめ、顔が誰にも見えないように泣く









でも、一向に涙が止まることはなく、傷がたくさんついた体を
蝕み始めた







「........ぐっ、嘘、だ、ろ」







「ｶﾊｯ......ﾊｯﾊｯ」









口に鉄の味が少し広がる







息が上がり、力も抜けていく









「A.....」









最後に見たのは、髪の色が元に戻ったあいつの死に顔

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