第15話 欲しいよ ページ17
「血が欲しい。左之さん、血が欲しいよ」
俺がAの部屋につくと廊下には隊士の死体が転がっていた
そして部屋の奥には槍を構えているA
「Aか…?」
「血、ねぇ血をくれる?ふふっ」
もう理性なんて残ってない
でも、さっきまであったのはわかった
着物にたくさんの切り傷と、腹に大きな切り傷があったから
「お前、腹を斬ったのか。よくやったよ」
「ふふふっ」
「なっ」
笑いながら槍を振り回す彼奴は”羅刹だった
「もう殺すしかないってのかっ」
「ねぇ血だよ。左之さん」
ゆらゆらと歩きながら俺に近づいてくる
俺はただ槍を構えて後ずさりするしかなかった
シャッ
「ぐくっ」
Aが背中から血を噴き出した
「左之、お前がやらないのであれば俺がやる」
「斎藤…お前」
「羅刹にすると決めたのはお前だ。
そして狂った時の覚悟もできていたはずだ。お前らしくもない」
揺るがない目はAを眼球に入れ今にも斬ろうとしていた
「斎藤さんっ!!!」
「雪村、この件に口をはさむな」
「斎藤さん!!斬ってはいけません!!小桜さんは、まだ生きています」
「これが...俺たち二人の運命なんだ」
千鶴....ごめんな。
さっきの話とは逆になるけど
「斎藤、たしかにそうだった。
羅刹にすると決めたのは俺だ。そして、狂ったときは俺が切るって決めてたんだ」
「ふふっ、いい臭いがする」
俺に向けられている視線は千鶴へ移った
「血、ちょうだい。」
槍をきれいに構える
「きゃっ、小桜さん!!!」
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kirakirahikaru0(プロフ) - 涙がとまりません!!素敵な作品でした。 (2019年7月6日 22時) (レス) id: 094bc50104 (このIDを非表示/違反報告)
彩楓(プロフ) - 涙が止まりません!!このお話に出会えて本当に良かったです!これからも頑張ってください! (2016年10月11日 16時) (レス) id: e14b6601c7 (このIDを非表示/違反報告)
風峰蒼(プロフ) - LOVEさん» うわぁ...もう本当にありがとうございます!感謝の言葉でいっぱいです! (2015年9月27日 7時) (レス) id: dc78d8f89d (このIDを非表示/違反報告)
LOVE - 原田さんは頑張った!だから自分の道を生きてほしい!……………な、な、涙が止まりそうにありません!((涙 これからも頑張ってください! (2015年9月27日 3時) (レス) id: 111dfe4918 (このIDを非表示/違反報告)
風峰蒼(プロフ) - キユさん» ありがとうございます!まさか、こんなに泣いてくださる方がいるなんて驚きました!ありがとうございます! (2015年6月20日 21時) (レス) id: dc78d8f89d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬風青 | 作成日時:2014年12月22日 20時