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事の発端を作り出したリヴァイはというと掃除屋に入ってから一本のほうきを持ち、顎に手をあててずっと手の中にあるほうきを見つめたままだ。
「だいたいあいつが掃除屋なんてきたら買い物がもっと長引くだろ」
「そりゃそうだな」
他のリヴァイ班の人は慣れているようで黙って待っている。
その様子にまるで頭痛でもするかのようにこめかみを押さえながら重々しく溜息を吐いた。
「オルオよ。これとこれ、どちらの方がいいと思う」
「えっと・・・・・・ですね」
明らかに同じほうきをオルオさんの目の前に突き出して判断を仰いでいるリヴァイ。
余程掃除にこだわりがないかぎりほうきなんてどれも同じようにしか見えない。
それはオルオさんとて同じだったようで、リヴァイからの質問に若干たじろいでいる。
このままだと掃除屋一軒回っただけで訓練時間も潰れかねない。
そうなれば別行動するのが一番合理的だと思い至り、リヴァイに別々に行動する案を出した。
しかし、
「別々になって迷子になられても困る」
「なるわけ無いだろ。バカだろお前」
子供みたいな理由で却下された。
あまりにくだらなかった為、自制も忘れてぽろっと本音が漏れてしまった。
すると、鬼の形相で私を見てくるリヴァイ。
そして何故かソレに焦るエレン。
「へっ・・・・・・兵長!」
「なんだエレン」
「おっ俺がAと一緒に行ってきますよ!帰り道はわかりますし」
「だめだ」
「了解しました、リヴァイ兵長。ご指示通り残りの買い物全てさせていただきます。行くぞエレン」
このままでは埒があかないと和やかに返答を返して半ば強引にエレンの襟を掴んで別行動に出た。
「オイA!兵長すっげぇ怖い顔してたぞ・・・・・・」
「知らん」
「知らんって・・・・・・俺帰りたくねぇ 」
買い物リストに視線を落としながら歩いていると、その横で未だにぐずっているエレン。
そんなエレンを放置して私は買い物を始めた。
***************
「持ッて。あと一軒で終わり」
「わりと早かったな」
「あそこに大体のものが売っていたからね」
店を出て最後の1軒に行くため外を歩いていると
「いいから出せっていってんだろうがァ!」
ものすごい怒声とともに少し先の店から物が壊れた音がする。
「なんだ?とりあえず行こ」
「おう」
駆け足で道を通り過ぎ、問題の店に着くと店内は荒れ、その中に怯えながら子供を守るように抱きしめている女店主がいた。
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history(プロフ) - リリーさん» ありがとうございます! (2014年7月16日 17時) (レス) id: 2db8f35077 (このIDを非表示/違反報告)
リリー - 面白いです!これから続編読みに行ってきます!( ・_・)ヾ (2014年7月16日 16時) (レス) id: c496c91bc4 (このIDを非表示/違反報告)
history(プロフ) - 不音 鈴さん» ありがとうございます 頑張って更新していきます (2014年4月5日 21時) (レス) id: 2db8f35077 (このIDを非表示/違反報告)
history(プロフ) - カルラ*さん» ありがとうございます 頑張って書いていきたいと思います (2014年4月5日 21時) (レス) id: 2db8f35077 (このIDを非表示/違反報告)
不音 鈴 - 面白いです次をすごく待ってます (2014年4月4日 17時) (レス) id: 12b00b42d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:s | 作成日時:2014年3月4日 20時