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先程から部屋に来ていたペトラさんと兵長の話をしていると、驚くことばかりが耳に入ってくる。
あのしっかりした兵長が元ゴロツキだっただなんて想像だにしなかった。
脳裏に浮かんだ疑問をそのまま口に出せば、
「さぁね、何があったかは知らないけどエルヴィン団長の元にくだる形で調査兵団に連れてこられたって聞いたわ」
「団長に・・・・・・?」
詳しくは知らないと首を竦めたペトラさん。
何故団長の下にくだる形で調査兵団に入ったのか気になってしょうがない。
けれど、俺がそんなことを気にしたところで何が起るわけでもないかと溜息を吐きかけたその瞬間、どこからか不機嫌そうな顔をしたリヴァイ兵長がやってきた。
「オイ、エレン」
「あっ・・・・・・はい!」
いきなりドスの効いた声音で兵長に話しかけられ、多少驚いて肩を鳴らす。
「全然なってない・・・・・・全てやり直せ」
汚い部屋にでもトラウマあるのかよと聞きたいくらいの黒いオーラで言われ、今日初めてリヴァイ兵長が潔癖症であることをしった。
いや多分普通の潔癖症よりも段階が上だろう。
そんなことを思っていると隣の部屋から、
「うっわァァァァァア!!!」
という苦痛の叫び声とともにバサバサッと物が落ちる音がこの部屋まで届く。
一瞬何があったのかと思い兵長と顔を見合わせた。
そして一緒に隣の部屋へ行くと、
「エレンよ、一体なんだコレは」
「俺にもよくわからないです・・・・・・」
目の前には倒れた本棚、床に落ちて散らばっている本、なにより倒れた本棚によりホコリがあたり一面に散らばっていた。
見るも堪えない汚れた部屋そのものだった。
そしてだんだん顔が鬼の顔になる兵長。
そんな兵長を目尻にとりあえずAの救出だとホコリの中にある本棚に潰れたAを見つけ引き起こす。
「大丈夫かお前」
「ゴホッ・・・・・・ごめんエレン」
埃を吸い込んでむせているAに手を貸して入口まで来ると、未だ鬼の顔をしたままの兵長がAに向き直る。
そして心底腹立たしげに言葉を投げてきた。
「オイクソガキ。どこをどうしたらこんな状況になるんだ」
「片付けようとして本棚で転べばこうなる」
「掃除一つも満足にできないのか」
「掃除は苦手って言った筈だけど?」
ああ言えばこう言うAはリヴァイ兵長にも物怖じせずに言葉を返していく。
その様子を見て俺はなんだか先が思いやられる様に深く溜息をはいた
――A・・・・・そこは威張るところじゃないぞ
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history(プロフ) - リリーさん» ありがとうございます! (2014年7月16日 17時) (レス) id: 2db8f35077 (このIDを非表示/違反報告)
リリー - 面白いです!これから続編読みに行ってきます!( ・_・)ヾ (2014年7月16日 16時) (レス) id: c496c91bc4 (このIDを非表示/違反報告)
history(プロフ) - 不音 鈴さん» ありがとうございます 頑張って更新していきます (2014年4月5日 21時) (レス) id: 2db8f35077 (このIDを非表示/違反報告)
history(プロフ) - カルラ*さん» ありがとうございます 頑張って書いていきたいと思います (2014年4月5日 21時) (レス) id: 2db8f35077 (このIDを非表示/違反報告)
不音 鈴 - 面白いです次をすごく待ってます (2014年4月4日 17時) (レス) id: 12b00b42d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:s | 作成日時:2014年3月4日 20時