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拾漆 ページ19

「アンタもよくあんな娘いるのにウチの話に乗ったね」

エマが呆れたようにそう言う。

「でも勘違いしないでね」

「へ?」

「別にアンタの事なんて何とも思ってないから。ウチはただ、早く大人になりたかっただけだから」

エマはそう言いながらチラッとドラケンのほうを見る。

ドラケンは楽しそうに万次郎と話をしていた。

「嫌になっちゃうよね―――アイツ。ウチの事なんか興味ナシ!マイキ―とバイクと喧嘩の事ばっかり」

エマ…

「少しは怒るかなって思ったのに…」

落ち込みながらそう言うエマの頭を、私は軽くはたいた。

「私は怒るよ!!危ないことしちゃだめでしょ」

「はーい。もうしないもーん」

エマって時々暴走しだすからドキドキしちゃう。タケミっちだったからよかったものの…

私とエマは、タケミっちの彼女のところまで行く。

「こんにちは」

「あ…こんにちは!」

「私、AA。大学生です!あなたは?」

「橘日向です。よろしくお願いします!」

日向ちゃん…タケミっちがヒナって呼んでたから、ヒナちゃんって名前だと思ってた。

「ヒナちゃん…よろしくね!何か困ったことがあったら言ってね」

「オラ!!集まれテメーら。集会始めっぞ!!」

ドラケンがそう言うと、東卍の人たちは整列し始めた。

「エマ、ヒナちゃんの事お願いね。私、ちょっと行ってくる」

「りょーかーい」

私はタケミっちのそばに行く。

「タケミっちどーも。私のこと覚えてる?」

そう言って顔を覗き込むと、タケミっちははっとしたような顔になった。

え、何?

「…どうかした?」

「あ…いや……」

めっちゃ動揺してる。

「…A、さん……すよね?」

「そうだよ。タケミっち、よろしくね。ほら、私たちも行こ」

私はタケミっちと一緒に、ドラケンと万次郎の後ろをついていく。

「お疲れ様です!!総長!!!」

頭を下げるみんなの間を通り、万次郎が階段の上に立つ。

「今日集まったのは"愛美愛主(メビウス)"の件だ。ウチとぶつかりゃでかい抗争になる」

メビウス…?抗争?

私は困惑してタケミっちと首をかしげてしまう。

「ぶつかるなら武蔵祭りのタイミングだ」

万次郎はそう言うとその場に座った。

「じゃあ、みんなの意見を聞かせてくれ」

?????

「タケミっちとAさんに教えてやれ」

ドラケンが三ツ谷に言う。

私は三ツ谷に視線を向ける。

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作者名:まゆげない | 作成日時:2022年4月26日 1時

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