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「おっしゃ2点ーッ!!ライン見てたべかヨイゴシ!!!」

「あっ、目にゴミが…」

「ウソこけーッ!!入ってたべ先っちょが!!
入ってましたよね!?比羅川さん!」

畦道くんに名前を呼ばれて私は頷く。

「うん、ちゃんと入ってた」

「ほらーッ!!」

「フン…押し倒されてたじゃねーか!!」

「立ってなくても入ればいいんだべよ!!おめぇ ケツの穴小さ過ぎんべ!!」

その言葉に私は思わず吹き出しそうになってしまう。

さっきから紛らわしい…

「なんだと!?お前こそ指先が入っただけで満足とは男らしくないな!!」

もうわざとやってない?

「まーまー、も1回宵越が攻めヤッてみろよ」

「…それとも俺たちと握り合うか?」

う…皆仲良いのはいいんだけどね…

突然宵越くんがはっ、と後ろを向いた。

「どした?」

「今 ナニか妙なゴカイを生んだ気が…」

私は隣で笑っている井浦を軽く蹴る。





「…そろそろ練習締めるぞー」

井浦がみんなにそう呼びかけると同時に私はみんなにタオルやスポドリを渡しに行く。

「はぁッ…や…やっとか…」

「結局2回しか攻撃成功しなかったべ…」

「宵越は1回も成功しなかったねぇ…」

「…ドンマイ…」

「攻撃はずっと息吐いてるからキツいでしょ」

私は宵越くんにドリンクボトルを渡す。

「お前、何でカバディ部のマネージャーやってんだ?カバディ歴9年なら、選手として練習するもんじゃねぇの?」

宵越くんはドリンクボトルを受け取りながらそう聞いてくる。

選手として……

「あー…私は――――」

どう答えようか悩んでいると、井浦が「A」と私を呼んだ。

「ごめん、ちょっと行くね」

私は井浦の方に行く。

「……ありがと。気、つかってくれたでしょ」

「言いたい時に言えばいいからな。ああいうのは」

井浦の言葉に私はふっと笑う。

「言いたくないわけじゃないよ。ただどう言ったら暗い雰囲気にならないか、まだわからないだけ」

まだ、完全には吹っ切れてない。それだけの事だった。

私は宵越くんの方へ行く井浦を見ながら、そっと息を吐きだす。

7.ハット・トリック→←5.守備



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作者名:神崎 奏 | 作成日時:2021年7月23日 13時

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