かけがえのある世界。【灼熱カバディ】 (ページ6)

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5.守備ページ6

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「ごぁッ！！」

宵越くんはそう声を出して畦道くん達に倒され、畦道くん達はイエーイと両腕をあげた。

「うーし！！また攻撃阻止ィ！」

宵越くん、攻撃の練習ばっかり…

「くそっ…こんなんリンチじゃねーか。ガチムチども…！！」

「いや…まだ真のガチムチは遠い…」

伊達くんのガチムチの基準はなんなの一体。

「井浦さん、守備もやらしてあげたらー？」

「あー…俺は守備もやったらって言ったんだけどね…」

「…守備はお断りだ…！！」

宵越くんは守備をやることに断固拒否。

宵越くんの性格上、おおかたその理由は……

「よーし。んじゃ守備もう一本！！」

「おう」

「畦道は中央ライン見ててー」

守備側の3人は、それぞれお互いの手首を掴む。

多分宵越くんはこれが嫌なんだろう。

「何？握るの抵抗あんの？」

「ゴツゴツしてカタいけど、握ればすぐ慣れるぞ」

「言葉足らずやめろ！！」

私は半ば呆れながら宵越くんを見る。

「手繋ぎ…通称『チェーン』はカバディの守備じゃ常識だよ。
カバディは『個』攻撃に対し『郡』の守備。
狭いコート内で1人身軽な攻撃手を捉えるには…
道を塞いだり取り込んだりするための鎖が必要なの」

「…鎖か…重苦しい事だな…」

キュッ…と靴とマットが擦れた音を出し、宵越くんは陣地に踏み入る。

「カバディ…カバディ…

カバディ！！」

宵越くんは中央狙いは愚策だと考えたんだろう、一番右にいる水澄くんを狙った。

「カバディ…！！」

狙いが良すぎて、分かりやすい。

井浦は宵越くんを掴む。

宵越くんはどうにかして自陣に帰ろうとした。だが、水澄くんと伊達くんがそれを阻止する。

ﾄﾞｫﾝ…

「クク…軽いなりに足止めくらいは出来るって事だ。宵越はライン見ててくれ。次は畦道の攻撃練習な」

「うす！！」

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「カバディ！！カバディ！！カバディ！！」

「ぅおっ！？」

畦道くんは水澄くんに触った。

「ストラグル入った！！」

「止めろォ！！」

「絶対に帰すな…」

宵越くんを見ると、白目を向き、絶句していた。

倒されたと思われたが、畦道くんの指が自陣に帰ったことで攻撃成功、2点獲得。