第56話 ページ7
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バスがイナズマジャパンを乗せて試合会場へと走る。
私は一星くんの隣に座っている。
すると隣から一星くんの荒い息遣いが聞こえてきた。
一星くんを見ると、顔が真っ青だった。
「一星くん……？大丈夫？顔色が……」
「大丈夫か一星？」
私と、同じく異変に気付いた明日人が一星くんに声をかけると、一星くんの肩がビクリと跳ねた。
「なんか顔色悪いけど、車酔いか？」
明日人の声に、つくしちゃんと剛陣も反応する。
「酔い止め飲む？」
「ほら、吐くならこれにしとけ」
剛陣がそう言って袋を差し出す。
でも一星くんは「放っておいてください」と不機嫌そうに言う。
本人がそう言うならとみんな自分の席に戻った。
いや、でも本当に様子がおかしいよ……
「一星、本当に大丈夫かよ？」
それでも一星くんが気になった剛陣が前の座席から顔をのぞかせた。
「うわああっ！？」
一星くんが剛陣に異常にビックリする。
それと同時に何かが床に落ちる音がする。
私が床を見ると、そこには何かのスイッチのようなものが落ちていた。
何これ……
「おい、どうした！？」
剛陣が席を立ってこっちに来ようとする。
そのとき、そのボタンを踏みつけた。
すると、前の方から「うおっ⁉何だよ⁉」と灰崎の驚く声がした。
「どうした？」
ヒロトが灰崎に聞く。
「何か急にボリュームがでかくなってよ…」
特に気にすることなく再び音楽を聴く灰崎。
一星くんを見ると、そのスイッチを拾ってもう一度押し始めた。
「またかよ！」
するとまた急にボリュームが大きくなったようで、灰崎がキレた。
「おい、誰か音量いじるイタズラしてやがんのか！」
一星くんじゃない！？！？それ！！
こんな地味な嫌がらせするかな？今更。
一星くんの顔を見ると、心なしかさっきより顔色がよくなったように見えた。
「………一星くん。そのスイッチ、何なの？」
私は声をひそめて一星くんに聞く。
「……っAさん…」
一星くんが私の名前を呼んでこっちを見る。
その顔は、助けを求めているようだった。
一星くんのそんな顔を初めて見た私は、その場で固まってしまう。
オリオン財団は、一星くんのことをここまで追い詰めてるの……？
「一星くん……私に出来ることがあったら何でもするから…私、どうしたら一星くんを助けられるの……？」
一星くんの少し震えている手を握ってそう言うと、一星くんは私の耳元に口を近づける。
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神崎 奏(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます！めちゃめちゃうれしいです！！ (2020年4月13日 17時) (
レス) id: 2b665a7700 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - とっても面白いです♪ (2020年4月13日 14時) (レス) id: b227610430 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神崎 奏 | 作成日時：2020年4月3日 18時
