*☆苦めのコーヒーを神様と。☆* 【妖怪ウォッチ】 (ページ12)

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十一杯目「後味の悪さ」ページ12

***

……朝。

目覚まし時計を手に取る。

午前5時ぴったり。

A:……2時間。

睡眠時間。

…昨日、少年には暇つぶしには最適の書斎を紹介しておいた。

一応部屋を荒らさなければ別に何を漁ってもうろうろしても構わない、とは言っておいた。

2度寝はあまり好まないので起き上がる。

A:……コーヒー…。

キッチンに向かう。

キッチンのドアをガララ、と開けると、隠れているつもりなのか、周りに煙のようなものを纏った少年。

…見られたくない、ということか。

とりあえず無視。

挽いておいたものが無くなりそうなので買い置きのコーヒー豆を出し、ミルで挽く。

【ミル＝コーヒーミル:要は豆粉砕道具←】

使わない分は瓶に入れておく。

(…紙も切れそう。)

【紙＝ペーパーフィルター:要はろ紙←】

(…買いに行かないとね…)

慣れた手つきでお湯で円をかき広げるように注ぐ。

コーヒーが一定まで抽出するのを待つ。

作業をしているとかくれんぼが下手な少年の視線。

A:(…少年ってつくづく生きづらそうな性格してるよなぁ…)

抽出出来たコーヒーをカップに注いで完成。

いちいち淹れるのは手間かもしれないが

A:(美味しいから好きなんだよね、これ。)

人間界に来て、本格的に人間の体になってから、味覚がついた。

人間って素晴らしい。改めてそう思う。

一口飲んだら「はぁ…っ」…と溜め息が軽く出る。

A:…いい出来ね。

また飲みながら周りを見渡す。

特に目につく部分は無い。荒らしたりは無い。

…視線。

これは「早く去って欲しい」という事だろうか。

セットを片付け、コーヒー片手に部屋に移動。

すると背に声。

?:…人間、

振り向くと、かくれんぼはやめたらしく、普通に出てきていた。

？:借りは人間相手に持ちたく無い。

A:…貸し？

？:望む事はあるか。

A:昨日助けてくれたじゃないか。

？:…あれは

A:それで充分。

「早急に帰って欲しい」というのが本音

？:あれは違うっ！

A:違わないさ。…それに君の体を見るあたり、時間的に厳しそうだけど？

？:！！

少年の体が明らかに透けていた。

A:タイムリミットってやつかな？

本音の願いを聞いてくれたようで何より。

透けていく少年。

私は少年に背を向け、部屋を移動する。

？:待t

言い終わる前に、少年は消えた。