【鬼滅の刃】今世では教師に溺愛されてるんだが【宇髄天元】

『芸術委員...？』 ページ10

翌朝。

今日は一限からクラス役員決めがあるため、教室はその話題で持ち切りだった。

それは小学校、中等部と変わらない。



「おはようA」


『おはよう。善逸くんは？』



昨日と同じく挨拶してくれた炭治郎に私も挨拶を返しながら、

まだ本人が来ていない前の空席に目を移した。



「善逸なら、体調が悪いから休むって言ってたぞ」



この時期に風邪とは珍しい。

善逸くんは昔からあまり風邪は引かないタイプだったのだが、大丈夫だろうか。

取り敢えずメールで"お大事に"と送っておく。



「Aはどの役員に入るか決めたか？」



炭治郎くんに聞かれ、黒板に書かれた役員名に目を通す。

委員会に入ると帰りが遅くなるのであまり入りたくはないのだが、

全員必ずどこかに入らないといけないのでそれは出来ない。


出来る限り仕事が少ないところにしようと思いながら見ていると、

最後の方に中等部にはなかった役員名があるのに気付いた。



『芸術委員...？』


「美術、音楽、工芸、書道でそれぞれ一人ずつ決めるみたいだな」



高等部の芸術は選択制だ。

入学する前に調査表を出し、既に誰がどの教科かは決まっている。


私が選択したのは美術で、担当は宇髄先生。

それなら、帰りが遅くなっても一緒に帰れるかもしれないし大丈夫そうだ。



『じゃあ、芸術委員かしら。炭治郎くんはどうするの？』


「うーん...店の手伝いもあるからな」



炭治郎くんの家は"竈門ベーカリー"というパン屋を営んでいる。

私は行ったことがないが、かなり美味しいと評判だ。

そんな彼も、やはり仕事が少ないところに入りたいだろう。



「購買委員かな。それなら放課後は仕事がなさそうだ」


『善逸くん、どうなるのかしら』


「余ったところに入れられるだろうが、それは少し可哀相だな...」



余るところと言えば、風紀委員あたりだろうか。

顧問がスパルタな冨岡先生である影響で。


そして、その予想は見事に当たることになったのは言うまでもない。

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