第51話 ページ24
A視点
じっとしているとインドラが目を覚ます。
貴女「おはよう」
縄で縛られたままの私だけれどそう言う、インドラは「あぁ」とどこかぎこち無い様子で返すと立ち上がり、
インドラ「水を汲んでくる」
と言って外に出て行ってしまった。
チラッと見えた外の景色を見てここは山小屋なんだと理解した、部屋の中を見渡すと昨日は気付かなかった事に沢山気づいた。
随分と放置されていたのだろう、所々木が傷んでいるのが確認できた。
ほんとにインドラが何か技を打ってしまったら簡単に壊れてしまいそうなくらいボロボロ…
インドラが帰ってくると桶に布を浸して絞っては私の傍に腰をおろして私の顔を優しく拭く…
そんな垣間見えるインドラの優しさに私は安堵した、インドラの全てが変わってしまった訳じゃないんだ…そう思えるだけで良かった。
貴女「ありがとう」
インドラは何も返してくれなかった、きっと少し罪悪感を感じているのかもしれない…
私はそんなインドラに言った。
貴女「ねぇインドラ、この縄解いてくれないかな
私逃げないよ、それに逃げてもインドラならすぐ私を捕まえられるでしょ?」
そう言うとインドラは渋っていたが縄を解いてくれた。
足の縄を解いてから腕の縄を解くインドラ、私は体を起こすとインドラに抱き着いた。
インドラ「A…どうして」
私はギュッとインドラを抱きしめる手に力を込めると言った。
貴女「言ったでしょ、私はインドラも好きなんだよ…好きな人が困っているのに力になれないのは私も辛いよ…」
そう言うとインドラは泣いていた、私を抱き締め返して優しく私を包み込むインドラの体温に私もつい泣いてしまった。
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作者名:わん | 作成日時:2022年9月29日 18時