episode23 ページ25
Aside
後ろを見ると、白いコートの女の子がいた。しかも走ってる。彼女の手元で何かが光を反射して光った。
近づかれて分かった。カッターを持っている。
いやいやいや、いくらストーカーでも刃物持っちゃダメでしょ!ストーカー規制法違反よりもっと罪が重くなるよ!?
なんて考える。
「真冬くん、あいつ来た」
と囁くと
「え、もう!?」
と小声で返してくる。
その間にも女の子は近づいてきていて、カッターを振りかざしていた。
真冬くんからちょっと離れるとこちらに方向を少し変えたので、私が標的だとわかる。
「タヒねぇ!」
と叫びつつ切りかかってくる。
危ない、というかあれだよ、傷害未遂確定だよ!?本気で思考回路が分からない!
と思う。とっさに女の子の手首を両手でつかんで左側にそらした。左頬の皮がピッと切れ、髪の毛も何本か切られる。
「ッ!電話!」
頬が痛い。
そう思いながら真冬くんに声をかけると、彼はもう既に電話を掛けていた。
「あんたさえいなければ!」
と女の子が叫ぶ。
いや声大きいな。耳キーンってなるんだけど。
「まふまふ様は私のものなの!私だけが知っていればいいの!まふまふ様だってあんたに付きまとわれて辛いはずよ!早く離れなさいよ!この年増女!」
いや年増女って何。まだ私29歳だから。
イラッとしたので言い返す。
「あんたさ、自分がやってる事が犯罪だってわかってるの?あんたが来る度にどんだけ怯えてたか知ってるの?」
「うるさいうるさい!私はまふまふ様と結ばれる運命なの!前世から決まってる事なの!私は約束したんだから!まふまふ様が逃げるなんてありえない!だって私とまふまふ様は愛し合ってるんだから!ねぇそうでしょうまふまふ様!」
…ヤバいやつじゃん。妄想と現実の区別つかないの?
というか、さっきからまふまふ様って言ってる。やっぱり真冬くんはまふまふさんなんだ。ありえないって思ってたけど、そうだったんだ。
でも、
「まふまふさんがリスナーに見せるところなんてまふまふさんの1部でしかないよ。
妄想だけならいいけど、現実にまでそれを持ち込んで、人を傷つけるの?
まふまふさんが自分のリスナーがそんなことしてるって思ったらどれだけ傷つくかわかんないの?」
そう言うと女の子はわずかに目を見開いた。握力が少し緩んだように感じたので、カッターを無理やり取った。
歌い手さん秘蔵映像
「タッピオカータッピオカー」ルンルン96猫さん
230人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
櫻子(プロフ) - haru2022さん» ありがとうございます!続編作ります! (2020年3月12日 7時) (レス) id: 4de55d417a (このIDを非表示/違反報告)
櫻子(プロフ) - 彩華 ぴあのさん» 続編作ります!読んで頂きありがとうございます! (2020年3月12日 7時) (レス) id: 4de55d417a (このIDを非表示/違反報告)
櫻子(プロフ) - あゃり。さん» ありがとうございます!ドキドキできる展開になっているか不安だったんですが、そうなっていたようで良かったです!続編作ります! (2020年3月12日 7時) (レス) id: 4de55d417a (このIDを非表示/違反報告)
櫻子(プロフ) - CIEL☆さん» ありがとうございます!楽しんで頂けて嬉しいです!続編作りますね! (2020年3月12日 7時) (レス) id: 4de55d417a (このIDを非表示/違反報告)
haru2022(プロフ) - とても面白かったので、ぜひ作ってもらいたいです! (2020年3月12日 7時) (レス) id: e5a455a51b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:櫻子 | 作者ホームページ:http://mmm:wako
作成日時:2019年12月28日 18時