episode26 ページ28
Aside
結局、楽しく飲む雰囲気ではなくなったので、解散となった。
私のせいだ。申し訳ない。
なんて思考がぐるぐる回る。
真冬くんとはじめて会った時は、SNSの怖さとか、なんにも知らなかった。特定班とか、刑事ドラマの用語かなとか思ってた。
知っちゃうと、こんなに怖いんだ。人の悪意とか憎悪って、こんなに怖いんだ。真冬くんは、あの時、こんな恐怖と戦ってたんだ。
でも、身を引けるか、別れられるか、と聞かれたら、答えはNO。好きなんだ、出来るわけない。
そこまで考えて、真冬くんに声をかけた。
「ねえ、真冬くん」
「なにー、Aちゃん」
少し不安そうな笑顔。
「んーん、呼んだだけ」
何となく、そばに居てって言葉は飲み込んだ。
「…ねえ、Aちゃん」
少し、迷うような声。
「何?真冬くん」
「僕ね、Aちゃんと結婚したいなって思って、いつ言おうかなってずっと考えてたんだ」
え、結婚…?結婚!?いやでも結構付き合ってるもんな、うん。そしてなぜ今のタイミングで言う?
「リスナーさん達にも納得してもらえるように、言うタイミングとかも考えてたんだ。でも、こんな風になっちゃった…バレるのは時間の問題だって分かってたのに」
僕がグズグズしてたから。
最後に消え入りそうな声で、そうポツリともらした真冬くん。
そうだ、バレるのは時間の問題だって最初っからわかってたじゃん。そして真冬くんはずっと考えてくれてたのか。でももうバレたんなら…
「真冬くんがグズグズしてたからじゃないよ。
それにさ、もうバレたんなら公表しちゃえばいいんだよ、『まふまふには彼女がいます』って。
真冬くん前に言ってたじゃん、『リスナーさんにあまり嘘吐きたくない』って。
大丈夫、なんとかなるから」
そう、前だってストーカーを警察に突き出せたんだ。なんとかなるさ!…そうでも思わないと怖くてやってらんない。
ああ、でも炎上するかもしれないのか…いや、もう今この時点でほぼ炎上確定だからな…。
「…そっ、か、そういうのもアリなのか…」
と真冬くんはつぶやいた。
「炎上すると思うけど…」
と言うと、
「ううん、やる」
と覚悟を決めた顔をされた。
なら、私も覚悟を決めなくちゃね。
「分かった」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1万hitありがとうございます!
リアルがバタバタしていて更新が遅れています、すみません…。できる限り更新します!
263人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
櫻子(プロフ) - もつにゃさん» ありがとうございます!色々あって土日にしか更新できていないのですが、更新も頑張りますね! (2020年7月23日 7時) (レス) id: 4de55d417a (このIDを非表示/違反報告)
もつにゃ(プロフ) - うわ、めっちゃ神作品ですね...!更新頑張ってください! (2020年7月23日 0時) (レス) id: 078eae7c90 (このIDを非表示/違反報告)
櫻子(プロフ) - 外し忘れてました!ごめんなさい、すぐ外します! (2020年3月12日 15時) (レス) id: 4de55d417a (このIDを非表示/違反報告)
ぽてつ(プロフ) - オリジナルフラグがはずれていません。二次創作物の場合は外さないと違反になり、最悪の場合作品が消されてしまいます>_<そうならない為にも外される事をお勧めします。 (2020年3月12日 14時) (レス) id: f3105f5f12 (このIDを非表示/違反報告)
氷雪(プロフ) - 続編おめでとうございます!この作品大好きです!これからも更新頑張ってください! (2020年3月12日 12時) (レス) id: b6ee0e20db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:櫻子 | 作者ホームページ:http://mmm:wako
作成日時:2020年3月12日 12時