捌ノ怪 七不思議の七番目 ページ10
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笑顔なのにこんなにも恐ろしく感じるなんて…しのぶさん以来だ…!
すぐ目の前にいる花子さんは、ひょいっと掛けていたサングラスを取った。
私の顔を見て「ほらやっぱりヒモリじゃん」と笑う。
「あ、あはは…ドーモ」
「昨日は不意を突かれたけど、今日はそうはいかないからネ?」
「色々と考えたから疲れちった」と花子さんはポケットをごそごそと漁り出す。
そんな私と花子さんのやり取りを見ていた寧々は、知り合いなの?と言う視線をこちらに向けて来た。
その視線に私は全力で首を横に振る。
いやいやいや…今日は寧々の願い事を聞いて貰う為にここに来たんですよ。
私は全く関係ないんですよ、全くね、全く!
なに、なんなの、何探してるの。あのね、私は一刻も早くここから立ち去りたいの。
あと寧々、いつまで抱き付いてんの。もう充分落ち着いたでしょーが。
さあ、行くんだ、言うんだ寧々!
早く願い事を!!
「あ、あの…あなたが花子さん…なの!?」
「そそ。俺は怪異。七不思議が七番目、トイレの花子さんダヨ」
「そっそんなの嘘!おかっぱは?赤いスカートは?しかも男の子だし…」
よし行け寧々!
どんどん話し掛けるんだ!
そして気を引いてくれ!!
「あー、そーゆーの最近流行らないんだよねー。それと俺の事は花子くんって呼んでもイーヨ」
「「怪異に流行りがあるのっ!?」」
ハッ…!
いかんいかん、ついツッコミしてしまった…。
てかなんなの、何探してるの。
健全なのでお願いしますよマジで。所有権は無くなりましたので。そこんとこお願いしますよマジで。
「確かに俺は男だよ。でも性別以外は君達が聞いた噂通り。何か一つを代償に呼び出した者の願いを叶える」
「何処にいったかなァ…後にするか」と花子くんは何かを探すのをやめて、私達と向き直った。
何を探していたのか分からないが、とりあえずホッとして息を吐く。
とてつも無く嫌な予感がしたので。
「君にもあるんだろ?聞かせてよ、願い事。あ、そう言えば聞いてなかったけど、ヒモリも願い事あるの?」
「え、いや…私は…」
「…本当に」
「寧々?」
寧々は漸く私から離れて、抱えていたであろう疑問を口にした。
「ただの変態幽霊じゃないのね?」
「……」
「ブッホァ!」
突然の爆弾に私は吹き出した。
寧々…ッ最高!ありがとう!!
「ヒモリ…?」
「ハイ…スンマセン」
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なな(プロフ) - こういう話大好き!!続き楽しみにしてます! (10月24日 15時) (レス) @page30 id: fe31627149 (このIDを非表示/違反報告)
chisa - キメツ学園と地縛少年花子くんのコラボ、面白かったです。更新楽しみにしてます!これからも頑張ってください応援してます! (2022年10月10日 15時) (レス) @page31 id: c8930b3d1a (このIDを非表示/違反報告)
ふわにゃん - とっても面白いです!続き楽しみにしていますね! (2020年7月28日 19時) (レス) id: 0abe5ea8a5 (このIDを非表示/違反報告)
水無月梅雨 - 犬夜叉要素があって、ものすごく笑いました!これからも頑張ってください!!! (2020年7月5日 12時) (レス) id: 82fc76c663 (このIDを非表示/違反報告)
雨ノ宮紗綾 - 犬夜叉の要素があったりしてめちゃくちゃ面白かったです!更新楽しみにしてます!!! (2020年7月2日 21時) (レス) id: 83427b663d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヒア | 作成日時:2020年3月27日 14時