マジもんの魔法 ページ7
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《この者達からは魔力の波長が一切感じられない…。色も、形も、一切の無である。
よって
＿＿＿＿＿＿＿どの寮にも相応しくない！》
そうハッキリと闇の鏡は答えた。
想定外の答えに、入学式に参加してた他の生徒や先生方がザワザワと騒めき出す。
中でも一番驚いているのは、学園長の様に思えた。
「魔法が使えない人間を黒き馬車が迎えに行くなんて有り得ない！生徒選定の手違いなどこの100年、ただの一度もなかったはず。一体何故……」
「もごもご…ぷはっ！だったらその席、オレ様に譲るんだゾ！」
「『あ』」
云々と何やら考え出した学園長の隙を見て、抱えられていたグリムがその手から逃れた。
それに気付いた学園長がハッとする。
「あっ待ちなさい！この狸！」
「そこのニンゲン共と違ってオレ様は魔法が使えるんだゾ！だから代わりにオレ様を学校に入れろ！」
…なるほど。
グリムは魔法学校に入りたくて、あんな所に居たのか。
で、ユウ君の制服を着て入学式に出ようとした…と。ダボダボの制服を着たグリム…。
可愛いかよ。
魔法なら今とっびきりのを見せてやる！と意気込むグリム。
その途端に溢れる青い炎。
それは先程の物なんかとは比にならないくらい。
そして一瞬にして、入学式会場のほとんどが青い炎に染まった。
突然起こった事件に、入学式に参加していた生徒達はプチパニック状態。
不運にも尻に燃え移った人も居た。乙。
「っ危ない！」
『え、あ…うわ！』
こちらに飛んで来ていた火の粉から庇う様に、先に気付いたユウ君が私の肩を抱く。
『あ、ありがとうユウ君』
「ううん。さっき僕も助けて貰っちゃったし、おあいこだよ」
結構な事件が起こっているにも関わらず、ユウ君によって私の周りの空気が和らいだ。
え…何この子超癒しキャラ。
なんて思っていると、学園長の指示でどうやら生徒がグリムを捕まえる事になったらしい。
未だに火を吹いて暴れるグリムの元に生徒が近付く。
生徒の持つその手には、宝石の様な物が付いた杖？ペン？が握られていた。
そして、なんという事でしょう。
その杖を生徒の一人が振るうと、光の玉が飛び出したではありませんか。
『…マジで魔法使ってんじゃん…』
「うん…。僕も初めて見るよ。あれが…魔法…」
地味に感動なんですけど…。
ほぁ〜と見惚れていると、あっという間にグリムは行き止まりへと追い込まれた。
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作者名：サヒア | 作成日時：2020年5月7日 2時
