ベッドもう一つくれ ページ23
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先に目を覚ましたグリムが、ユウ君に起きろ！と暴れた。
それで目が覚めたユウ君は、目の前の光景にびっくりして「僕死んだ！？」と叫んだのを見た時は流石に笑った。
そのまま放置してると、グリムがまたやらかすと思い、私はそんな彼らに近付いた。
『おはよー』
「ふな"！？オマエ誰なんだゾ！？」
「おはよ…って、え！？もしかしてA！？」
ゴースト達ごめんねぇ〜、と避けながら二人に近付いた。
ゴーストなので避ける必要がないのは、わかっていたが無意識にしてしまっていた。
二人は目を見開き、口を開けたまま、近付いて来た私を凝視した。
そこで私の名前を聞いたグリムがハッとした。
「A…って昨日の怖い奴！？」
『グリム、後でお話しよっか？？…いやてか、もしかしなくてもここで寝泊まりしてんの自分らだけでしょーが』
「確かにそうだけど…凄いね。どう見ても可愛い男にしか見えないよ」
『かわ…観察眼のいいユウ君がそう言うなら男装は完璧だな！』
これで帰れるまで堪えて欲しいもんだね、ほんとにね！
持ち堪えて欲しい！！(大事なので二回言いました)
ぐっと握り拳を作っていると、ゴースト達がススーと静かに近寄って来た。
「お前達、今日からここに住むんだって？悪戯しがいがあるってもんよ。ケッケッケ！」
「そうなんだゾ！なんでゴーストがここにいるんだぞ！？昨日追い返したのに！」
「俺達はゴーストだぜえ？追い返したってここが俺達の住処なんだから、出て行く訳ないじゃん〜？ヒェッヒェッヒェ！」
「笑い方が独特過ぎる…」
「くそー！いつか追い出してやるんだゾ！」
…なんか、ゴーストと戯れるグリム、結構可愛いな。
ゴースト達も別に嫌な奴らではなさそうだし、結構無害な方だと思うし、私は気にしてないし。
まあいいんじゃね？と思っていると、ふと背後に誰かの気配を感じ、ばっと振り返った。
そしてそこに居たのは、あの金しか使えない能無しカラス野郎である学園長だった。
「おはようございます、三人共。よく眠れましたか？」
「ベッドに寝そべったら底が抜けてびっくりしたんだゾ！どんだけオンボロのまま放置してたんだ？朝もゴーストに起こされるし、最悪なんだゾ！」
「そう？僕はぐっすり」
『別に普通。ただベッドはもう一つ欲しい』
「異世界に飛ばされて来たと言うのに、図太くて大変よろし…って、貴方誰ですか！？」
え、今かよ。
私だよ。
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作者名：サヒア | 作成日時：2020年5月7日 2時
