三人一組で雑用係 ページ19
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本音を言わせることが出来、少しスッキリした所で、学園長に続きを話す様に促した。
「と、とととりあえず当面の宿については、ここを無料でご提供します」
『当たり前だわ』
「で…ですが、そのぅ…衣食住については、じ…自分で支払って頂きたく…」
『何で?…と、言いたい所だけど、それくらいはしなきゃ割に合わないか…。いや、世界渡ってる時点で全責任取って貰わなきゃなんだけど』
「よ、よかった…。ごほん!て、手ぶらの貴方方が差し出せるものと言ったら……ふふ、そうだ。こうしましょう」
『顔キモ』
「しっ!で、一体何をさせられるんですか?」
悪そうなことを考えていそうな不気味な笑みを見た私が、思わずそう口にするとユウ君に注意された。
だって、本当の事だもん。
「そんなに身構えなくても、学内整備などの雑用をこなして貰うだけです。見たところ、掃除の腕は中々のようですし。
ひとまず、三人一組で雑用係はいかがです?」
三人一組で雑用係…と、私達三人は顔を見合わせた。
これはラッキーなのか、アンラッキーなのか…。
どっちにしても寝泊まり出来て、衣食住出来るところは必要だし…ま、雑用くらいなら…いっか。
まあ、その分必要経費はたっぷりと貰うけどね?
全責任がそっちにあるんだし、これくらいいいよね。
それに私怪盗だよ?ただで交換条件飲む訳ないじゃん。
「そうすれば、特別に学内に滞在する事を許可して差し上げます。元の世界に帰る為の情報集めや、学習の為に図書館の利用も許可しましょう。私、優しいので」
はい、最後の一言マジでいらん。
けれど約一名、嫌そうに顔をしかめる者がいた。
もちろんそれはグリムである。
「ええ〜!?そんなのいやなんだゾ!オレ様もあのカッケー制服着て、生徒になりたいんだゾ〜!」
「不満ならば結構。また外に放り出すだけです」
「ふな"っ!?わ、わかった!やればいいんだろ、やれば!」
「わかりました」
『右に同じく。だけど、生活用品とか色々必要なものがあるんで、それくらい必要経費で落として下さいよ?学園長?』
「ええ、それくらいならばいいでしょう」
っしゃ!言質取ったなり!!
覚悟して下さいよ学園長〜。
あんたの財布、すっからかんにしてやるんだから!
「では三人共。明日からナイトレイブンカレッジの雑用係として励むように!」
こうして、私達三人の生活が始まった。
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作者名:サヒア | 作成日時:2020年5月7日 2時