全ての責任はそっちにある ページ18
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二回目のゴースト退治も無事に終わった。
「ぜぇ、はあ……どうだあ!」
「なんと…。まさかモンスターを従わせる事が出来る人がいるなんて」
『従わせる、って言葉超嫌なんですが』
従わせる、じゃなくて協力とか連携とかって言って欲しい。
こっちが無理矢理させてるみたいじゃんか。
そう言うの、私嫌い。
「ふぅむ…。実は入学式騒動の時から、私の教育者の勘が言ってるんですよねぇ」
『何言っとるんだこの人』
「ユウさんとAさんには、調教師や猛獣使い的な素質があるのではないか、と」
『サーカスかよ』
「しかし…」
またブツブツと一人の世界に入って行った学園長。
そんな中、「あの」とユウ君が学園長に話しかけた。
話しかける前にグリムを見ていたので、私もなんとなくだが察しはついている。
ユウ君ってば、優しいんだから。
「グリムも一緒にこの寮に置いて貰う事は出来ませんか?」
「何ですって?モンスターを?」
「オマエ…」
『私からもお願いします、学園長』
「オマエまで…」
この人に頭を下げるのは何だか尺だけど、仕方ない。
頭を下げた私を見て、ユウ君も同じ様に頭を下げた。
これはユウ君の願い。
でも私も密かにそうなればいい、なんて思っていたのだから。
そんな私達を見て、学園長はふぅ…と息を吐いた後、「いいでしょう」と確かにそう呟いた。
グリムも嬉しそうに目を輝かせた。
「しかし。闇の鏡に選ばれなかった…しかもモンスターの入学を許可する訳にはいきません。お二人についても、元の世界へ戻るまでただ居候をさせる訳にはいかない」
「なんだぁ…ぬか喜びだゾ…」
「まあ、話は最後まで聞きなさい。お二人の魂を呼び寄せてしまった事に関しては、闇の鏡を所有する学園にも責任の一端はある」
『一 端 だ け ?』
流石に今のは納得いかない。
完璧にそっちの不手際で、私らは巻き込まれたんですが?私らの意志関係なく、勝手に連れて来られたんですが?一端は、ってどゆこと?私らにも責任はあるって仰りたいのこの人は。…はああ??
きっとその時の私の顔は般若の様な顔になっていただろう。自覚はある。
「ヒィイッ」と悲鳴を上げる学園長が何よりの証拠だ。
「い、言い間違えました!大方です!大方は!!」
『少しは私らの責任ってことかな?ん?』
「イイエ!全テコチラノ責任デスッッ!!!」
『よし』
「アイツ…怒らせたら怖えんだゾ…」
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作者名:サヒア | 作成日時:2020年5月7日 2時