いざ、鉱山の内部へ! ページ35
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何か重要な事をを私は忘れているのではないか、と胸が何だかモヤモヤとして来て気持ちが悪い。
知っているのにそれが何か思い出せないこの感じ、とても嫌だ。
前もこの感じあったよね…。
あ、そうそうハートの女王だ!ハートの女王って言葉だけじゃなくて、あのグレート・セブンの説明を聞いていた時も何かモヤモヤしてたんだよね…。
私は、一体何を忘れているんだろう?
「おーい、どーしたー?置いてくぞー」
『ッ!…い、今行く!』
エースに呼ばれ、ハッとした。
そうだ、今は悩んでいる時ではない。
私達の目的は鉱山で魔法石を持って帰ること。思い出せないものは仕方ない。
今は魔法石を持ち帰る事だけに集中しよう…!
そう意気込み、私達は小屋の近くに見えたドワーフ鉱山の入り口に向かった。
入り口と言ってもガタガタで、崩れて来そうな不安があった。チラッと見ただけだが、奥まで真っ暗でかなり先まで続いていることがわかる。
「こ、この真っ暗な中に入るのか!?」
「ビビってんのかよ、だっせー」
「なぬっ!?び、ビビってなんかねーんだゾ!オレ様が隊長だ!オマエら付いて来るんだゾ!
フンフンと鼻息吐かせてグリムが先頭になって入り口に入って行く。
そんなグリムの後ろからニヤニヤしながら続くエースと、喧嘩しに行くの?と言う様な表情をしたスペード君、その後ろに私とユウ君が続いた。
鉱山の中は意外と広かった。
岩の壁のあちこちに石や宝石みたいなものが貼り付いていた。
幻想的で少し綺麗かもしれない。
あ。
てか私未だにスペード君の本名知らんやん。今更感が凄いわ。
…あれ、私って今男って事になってんだっけ?
せめて言葉遣いは男っぽく……快斗の真似しよ。
『…なあ、そう言えばちゃんと自己紹介してなかったよな?』
「ん?…ああ、そう言えばそうだな。僕はデュース・スペードだ」
『うわ、当たってた…。えー
「…なあ……!?待て!」
『おお!?』
先頭の方に行こうとすると、スペード君に肩を掴まれ止められた。
その声は前を歩く二人にも聞こえたらしく、怪訝そうにこちらを振り返る。
「んだよ」
「何か……いる!」
「ぴゃっ!!?」
「ヒーッヒッヒ!十年ぶりのお客様だあ!」
「ゆっくりして行きなよ」
__________永遠にね
オンボロ寮に居たゴーストとはまた違う奴が姿を現した。
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作者名:サヒア | 作成日時:2020年5月7日 2時