タカラモノ (ページ5)

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雨の中ページ5

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やっと放課後だ！！

まあ、寝てたんだけどね。

バサバサッ！！！！

おお...。雨降ってるなー。

昨日の油絵どうなったかな～。さっさとレッツゴー！！

にしても土砂降りだぁ...。

アトリエまで遠いな.......。

『うわ！雨！！』

誰かが傘忘れたんだなぁ。可哀そうに。こんな雨で...。

智「Aちゃん！！傘一緒に入れて？？」

あ「お、大野さん！？」

ばしゃばしゃ言ってる中を全速力で走ってくる大野さん。

智「はあ...はあ...」

あ「びしょ濡れじゃないですか！！」

慌てて傘に入れる。

智「いや～。大学の帰り道に足りない道具買ってたら、雨すげー降ってくるんだもん！！」

あ「それでびしょびしょ...」

智「濡れちゃった！」

そう言って微笑む大野さん。キュンってきてる場合じゃないよね。

あ「早くアトリエ入りましょ？風邪ひいちゃいますよ。」

智「ん～。ありがと～。へくち！」

あ「くしゃみ出てるじゃないですか！急ぎますよ？」

智「うん...。」

可愛いくしゃみだったのはおいといて。

急ぎ足で進む私たち。

あ「着いた！！」

智「ありがと！」

あ「いえいえ、とりあえずタオルで体拭いて。
服を着替えてくださいね？？」

智「はーい！」

えっと、あったかいミルクティーぐらいだったらここで作れるよな...。

てきぱき働く私。大野さん遅いな...。

智「ふう。何とか風邪引かなさそう！！」

あ「油断は禁物ですよ？」

智「は～い。」

なんかさっきの雨の中歩く感じ。

初めて会った時と似てるな...。

ミルクティーできた！！

あ「大野さん。ミルクティー作りました！どうぞ！」

智「ありがと～。Aちゃんは優しいね～。」

あ「そんなそんな...」

二人でミルクティーを飲む。ほっとするな～。

智「さっきね。こういう感じ前にもあったな～って思ったら」

智「初めて会った時も立場は逆だけど、雨の中だったな～って。」

あ「覚えててくれてたんですね...！」

智「覚えてるに決まってんじゃん！」

あ「ありがとうございます！」

智「今日はお話ししようかな。」

あ「え！」

智「あ？絵描いて欲しかった？」

あ「いや！お話もしたいです...。」

智「じゃ、お話しよ！」

そういえば大野さんとちゃんと話すのって初めてだな...。

どんな話が聞けるかな。