full moon 17

806月「いやだ」 ページ15

1人皆から離れ
ベンチに座り
俯き
ぼー…っと
地面を見ながら

色んな気持ちがこみ上げ
視界がぼやける

そんな時


ストン…


『…なんですか』
新「俺のことは気にしなくていいぞー」



新が桜の隣に座り
桜の手に自分の手を重ねた



『一人になりたいんです
私にかまわず
皆さんと…』
新「いやだ」



桜の言葉を遮るように
答える新



『…だから
今は1人になりた…』
新「俺はいないものだと思っていいぞ」
『こんな真横にいて
いないものと
思えるわけないじゃないですか
それに手離してください』
新「それは聞けないお願いだ」
『…1人になりたいんですっｔ…』
新「いやだ」
『・・・』



中々引かない新
そんな新に




新「うわ」




アンクロをする桜



『しつこい
1人になりたいんですって…
早く皆の所に戻って…』
新「戻らない
桜の傍にいる」
『…っ
なんで』
新「アンクロいつもだったら
もっと痛いぞ
全然力入ってない
それだけまた弱ってるってことだろ」



自分の顔をつかんでる手を
離し
視界を塞いでた手がなくなると

涙を流す桜が見えた



新「いい加減覚えろ」



掴んだ手を引き強く抱きしめる


『っや…』
新「悲しんでる桜を
1人になんかしない」
『っ…』
新「1人になりたい時があるのも
わかるけどさ
こんな状態の桜は
1人になると
マイナス思考になって
ウジウジ考えちゃうだろー」




桜を離し
頭を撫でる


『・・・
新さんに…
私の気持ちわからないですよ』
新「ん
まぁエスパーじゃないしな
何があったかとか
どんな思いをしたかは
俺じゃわからない
だけどさ…」



また桜を抱きしめ頭を撫でる



新「傍にいる
桜を1人にしない
話ができるなら
何があったか聞くし
こうして抱きしめて
気持ちの捌け口くらいにはなれるからさ」



春輝「桜は弱音を中々言わないからね
俺に位言いな？
ため込むの良くないし
気持ちの捌け口くらいなれるからさ
…ね？
なにがあったの？」




優しく頭を撫でられると
春輝との思い出に重なりまた涙があふれる




『…っ
春…輝…さんっ』
新「ん
よしよし」
『う…
っ…ん』
新「何があった…？
墓参り以外に何かあった？
ゆっくり話せそうなら
教えてくれ？」
『・・・』



黙る桜に
ダメか…と
肩を落とす新




.

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