マギ~風鈴鳴らすその日まで~ (ページ23)

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第二ニ夜ページ23

アリババside

此処は何処だ？……何も見えない……何も感じない……息も出来ない……？

息！？苦しい……空気っ！！

アリババ「ぷは！！はぁっ！！」

抜け出すと俺は咳き込んだ。空気がいきなり体内に入ったからな…

落ち着くと俺は見たこともない洞窟の中、そして陣が下にあった。
それと………

『漸く起きた？』

声は後ろから発せられ振り向くと、俺より小さな少女が顔を覗き込んでいた。あまりの近さに驚いたけど、すぐに元に戻って向き直った。

アリババ「あぁ。だけど、此処は何処だよ？」

『目的地だけど？』

目的地…って事は、此処は迷宮(ダンジョン)の中かよ！って内心で言葉にしつつ表情は表に現れていて。

『嬉しそうね』

アリババ「それよりアラジンはどうしたんだよ？偵察か？」

『たぶん先に着いてる…時間軸の時差は有名だから…』

最後の言葉だけは聞こえなかった。
だけど先に着いてる？一体…

アラジン「おーい！やっと来たんだねアリババくん！」

『アラジン！』

アラジン「アドリアも無事に来れて良かったよ！」

アラジンに手を引かれながら、洞窟の奥へと足を向ける俺。その後ろをアドリアは着いて歩く

アリババ「何だったんだ…あの黒い空と赤い地面は……一瞬だけだったけど…」

アラジン「綺麗だったね〜！綺麗で……なんだか懐かしいような景色だったね。」

俺の頭ははてなマークで埋まった。何故なら、アラジンの言葉の意味が理解できないからだ。
俺は、懐かしいとは思わなかった…こいつは一体……？

そんな事を考える暇を与えず、アラジンは更に奥に凄いものがあると言って走り出した。
辿り着いた先は、本当に綺麗で凄い神秘的な場所だった。

アリババ「こ、此れが…！輝く岩肌…見た事もない植物…！！此れが…此れが迷宮(ダンジョン)か！！」

俺とアラジンは二人して大喜びだった！
けど、アドリアの表情はちょっと悲しそうな笑みを浮かべてたのを俺は不思議に思っていた。