第十九夜 ページ20
アドリアside
外を歩いてるウチら。
アリババ「や〜!社長、驚いてたな〜!!」
…あの人こと、アリババは嬉しそうに一人で話し始めた。
『ねぇ、アラジン。いいの?』
アラジン「ん〜……」
『今のうちさ?やめるなら。』
アラジン「…けど、目的は…」
『ウチとアラジンだけでも入れるよ。それに、王様になれなくても会ってくれるはずだから。』
アラジン「……やっぱり。アドリア、何か知ってるのかい?」
『……知る時はまだ先でしょう。だから話せませんが、ウチは、あの日…友達になりたい気持ちに嘘はないから。』
アラジン「……分かったよ。僕達は友達さ!」
アリババ「おい、二人で何無視してんだよ…」
ウチらはウチらで話し込んでたから、アリババの言葉を無視してた…むしろ、振られてた事にさえ気付いてない…。
でも、アラジンは知らんぷり。
当然だよね。ウチとアリババじゃ、ウチの方が信頼は硬い。長いから…そこまで長くないけど!ま、とにかくそうゆう事じゃない。アリババ自身が気付かなくてはいけない事だから。
ウチは、二人のやり取りをちょっと微笑ましく見ていたのは…内緒だよ。
そして、急にアリババはアラジンを連れて何処かへと向かった。
ったく、どこ行く気なの?
追い付こうとしたけど、アリババが背も年も上なので追いつける訳もなく……迷子。
『10歳で迷子…ま、不思議じゃないよね!って、ウチは道覚えるの苦手なのよ!!』
アルマトランの頃からそう…迷子癖が直ってない。
“「ったく、やっと見つけたぜ!ほら、掴れよ!」”
…そう言った彼はもう居ない。
思った瞬間、涙が込み上げ泣きそうになった。
「また泣いてるのか…」
声の主は、ターバンを頭に巻き黒っぽい服装と黒っぽい仮面を付けた男の人が立っていた。
『……平気。』
「強がるか…何故君は、いつもそう頑張ろうとするのだ?」
『……会った事がある?ウチと。』
「……いや、人違いだな。失礼した。」
そして、男の人はその場を去って行った。
誰だか分からなかったけど、悲しい気持ちになった。
この時止められればよかった。
彼だと気付けばよかった…ちょっと後悔が残った。
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★中2病★ - 面白いです!最近更新する人少いので嬉しいです!更新待ってます! (2020年9月16日 15時) (レス) id: 11099bdacf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜桜姫 | 作成日時:2020年6月8日 17時