6話「家政婦と山田家」 ページ7
二郎、三郎の声が静まった頃、テーブルにお茶が出される。
『ありがとう』
私はそれを一口飲み、ほぅ…っと一息つく。
久々に来た山田家のリビングは何も変わらず、男所帯でもきちんと整理整頓がされていることに感心した。
数年前は家中大荒れだったのに…成長したものだ。
一「どうだ、家政婦の仕事は」
『特に苦労は無いよ。先生も良くしてくれてるし、むしろ甘やかされるから気が緩みそう…。そっちは?』
一「うちのもボチボチってところだ。大した事件も無く、平和に過ごしてる」
『そう…いい事ね』
もう一口お茶を飲む私を、一郎は黙って見つめる。
『どうしたの、黙っちゃって』
一「いや……実は、Aに報告があってな」
『報告?』
真剣な眼差しを向ける彼を見て、持っていたコップをテーブルに置いた。
一「先日俺と二郎、三郎の3人で池袋代表のMCチームを組んだんだ。チーム名はBuster Bros。直接Aに報告したくて、わざわざ家まで連れてきちまった」
『MCチームって…テリトリーバトルに出るの?』
一「ああ、他ディビジョンの代表が誰かは大体予想が出来てる。厳しい戦いになるが、俺はあいつ等とならやれるって思ったんだ」
一郎の握り拳から、その熱意と覚悟が感じられた。
数週間後に行われるディビジョンの領土テリトリーバトルには、先生率いる新宿代表チームも参加するはず。
「もうすぐメンバーが決まりそうだよ」と聞いたから、チーム結成ももう間もなくと言ったところだろう。
一「Aの気持ちも分かる。だけど、どうか俺たちを見守っていてほしい」
『もちろん。一郎たちは大事な“家族”だからね、応援するよ』
一「家族……家族か」
一郎は目を伏せ、ふっと一笑し目を開けた。何かを決意したかのように、こちらを見る。
一「見てろよA!俺たちがこの世の中を変えるんだ。みんなが平等に暮らせる、そんな世の中に」
握りこぶしと瞳には、強い意志が込められているように見えた。3人とも私より年下なのに、本当に凄いと思った。
『うん、3人を信じてる』
私の自慢の家族、それが山田家三兄弟だ。
……………………………………………………………
ぎゃーーーいつの間にかお気に入り登録者数が100人を超えてましたーーーありがとうございますーーーーー!!そして2ヶ月もほったらかしてすみません!!
リアルが落ち着いてきたので、更新進めていきます!
これからもどうぞ、よろしくお願いします!
223人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
よもぎ(プロフ) - コメントありがとうございます!まだまだ話数が少ないですが、ぼちぼち更新していきますので、これからもよろしくお願いします! (2018年10月2日 23時) (レス) id: 7dc175d1d8 (このIDを非表示/違反報告)
すらいみーる@元もちづき(プロフ) - 読ませて頂きました!とてもおもしろくてお気に入り&一気に全部読んでしまいました!!他のキャラとの絡みもあるということで更新楽しみに待ってます!!w (2018年9月23日 23時) (レス) id: 3b52443fef (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - ありがとうございます!先生推しです!オチはこれから他のキャラ達と出会い、親睦を深めていく…という流れで話を進める予定なので現時点ではまだ確定できていません。少しでも読者様に楽しんでいただけてとても嬉しいです。これからもどうぞよろしくお願いします。 (2018年8月26日 13時) (レス) id: 7dc175d1d8 (このIDを非表示/違反報告)
俗 - 読ませて頂きました。続きが気になりますし、主人公さんの性格がとても好きでした。オチは決まってないと言うことですが、よもぎさんは寂雷さんが好きなのですか?更新頑張って下さい。楽しみにしてます。 (2018年8月26日 2時) (レス) id: 5b4c0c9e60 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:よもぎ | 作成日時:2018年8月22日 1時