さくらに染まる[高峯翠] (ページ4)

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プロローグ3 ページ4

時が経ち、私は中学三年生になり、周りの人と同じように受験の勉強に没頭する日々を送った。

だから、夢ノ咲学院との出会いはとても意外なものだった。

ある日私が勉強をしていると、父に声をかけられた。

「おい、来い」

小声でそんな事を言われ、私は小さく頷いた。

「いやー可愛い娘さんですなぁ。はっはっは」

よく知らないおじさんがソファに座っているのが見えた。

「これならアイドル達とも仲良くやれそうですな。」

(…ど、どういうことだろう。
お父さんは芸能事務所に務めてるんだっけ…)

「君は、夢ノ咲学院に入学するんだよね？」

一応確認します、という表情でおじさんが私に聞いた。

「えと…」

ふと、父の顔を見ると
一瞬少し睨んだような表情で、私を見つめた。

「あ、…は、はい……？」

そう言うと、おじさんはにこおっと貼り付けたような笑みで笑った。

「そうか、そうか。
ああ、この書類にサインしてね」

訳も分からず、とりあえず従うと
彼は書類をパッと取り上げてカバンに入れた。

「じゃあ、今度色々持ってくるからね。
佐倉さん。お邪魔しました」

お父さんが見送りのために席を立った。