検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:930 hit

11日目 ページ13

「ちょっちょっと、とーしろ?」

わたわた慌てだした。それもそのはず。
俺はAの鎖骨の辺りに顔を近ずけ、チュッと口ずけした。さっきの仕返しだ。

「男の前で肌を無闇にだすな。食われちまうぞ。」

さぞ赤い顔をしているのだろうと顔を見ると、
薄く微笑んで優しく頭をなぜられた。思わずドキリとする。

「とーしろは優しいね。」

「はぁ?」

「私のこと心配してくれたんでしょ?ありがと。でも大丈夫なの。さっき言ったけど私はもう慣れてるから。」

「優しくなんかねェよ。それに慣れてても平気じゃねぇだろ」

「私の心はもう死んでるから。生きてるのは身体だけ。でももうすぐそれも終わるの。こんな汚い身体欲しいならあげるよ。」

余程酷い環境にいたのだろう。何かを思い出す瞳は濁っている。
少なくともAの心は死んじゃいねぇだろう。初めに見たキラキラした目がその証だ。

「話、戻すよ?」

そんなことねぇと否定しようとしたが、それを見越して遮られた。

「2年前かな?実験のし過ぎで身体にガタがきたの。んで、治療という名で捨てられちゃった。今はお兄ちゃん達を探しているの。きっと生きてるから。」

小せぇ身体で重いモン背負ってるのがよく分かった。壊れた身体で外に出されたコイツは何を考えたんだろう。

わしゃわしゃわしゃわしゃ

「ちょっ とーしろ??」

Aの頭を俺がやられたように掻き回す。陽の光を浴びて指を通るキラキラした白い髪はとても綺麗だった。


「んもぅっ」

パシッと手を払い除けた顔は林檎のように真っ赤で


「A、顔真っ赤だぞ」



更に赤くなった顔は不満そうに見える。

Aの赤くなる基準がキスでなく頭を撫でることに疑問を持つが、その赤い顔に胸が高鳴ったことは気づかない振りをしておく。

12日目→←10日目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 土方
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さくら | 作成日時:2019年9月29日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。