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少女は月明かりの旋律を紡げるか 12 ページ12

「………ちょっと待てーーーーーー!!!今の!今の撤回しなさいよおおおお!!!!」
「そ、園子!!!待って、私は大丈夫!!」
「落ち着いて園子!!!」
明星が出て行ってしん、と静まりかえる広間に園子の怒号が響く。蘭と二人掛かりでそれを止めるが、園子の顔は真っ赤で涙も滲んでいた。それだけ真剣に怒ってくれている証拠だ、不謹慎ながら嬉しくなって園子に抱きつく。
「ありがと、園子。蘭も。庇ってくれて嬉しかった。それだけで十分!」
「A……」
蘭が何とも言えない表情でこちらを見やる。園子は悔しそうに唸った後私を抱きしめ返した。
「もおおおなんで怒らないのよおおおお!!!あんなの怒っていいでしょ、言っていい事と悪い事があるでしょ……!!誰が何と言おうと、Aは何も悪くないし歌も凄いんだからね!!」
そう言って泣く園子の背中を蘭とぽんぽんと叩きあやしながら小さく頷いた。



─────────



パーティーを終え帰宅し、リビングのソファーにドレスのまま倒れ込んだ。ふわりとピンクのオーガンジースカートが舞った。
「また今度次郎吉さんにも謝っておかないと……」
ソファーに突っ伏したままぽつりと呟く。あの時は園子の怒りを抑えるのに必死だったので他の事を気にしている余裕がなかった。謝罪もせず会場を後にしてしまったのだ。

「……お母さんじゃなくて、私が死んでいればか……」

顔を上げ、リビングに飾っている写真へと目をやる。幼い自分と、両親が満面の笑みを浮かべ写っている。

「私だって、お母さんには生きていて欲しかったよ」

そう呟いて私はそのまま疲れから意識を手放した。




次に目が覚めた時はもう既にお昼だった。土曜日でよかった、と小さく溜息をついては昨日そのまま寝てしまったのでまずはお風呂に入り、昼からのレッスンに備えて準備をする。
夕方は青子ちゃんとご飯の約束をしているので、何を食べようかなとぼんやり考えながらレッスンに向かったのだが……



─────────



「ええええええ!?!?う、嘘でしょ!?!??」
浮かない顔の私と、驚きすぎて立ち上がってしまう青子ちゃん。口をぱくぱくさせては私に詰め寄った。


「ほ、本当なの……!?う、歌えなくなった、って」


そうなのだ。昼からレッスンに行ったはいいが、普通に喋る事は出来るのにいざ歌おうと思うと私は声が出なくなってしまっていた。昨日のお祖母様の言葉は思った以上に自分に刺さってしまっていたらしい……

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設定タグ:名探偵コナン , 怪盗キッド , まじっく快斗   
作品ジャンル:アニメ
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さくら(プロフ) - 雪村セツカさん» 雪村さん初めまして!表現褒めて頂けて嬉しいです……!!のんびり更新していきますので、お時間ある時にまた覗いてやって下さいませ! (2019年5月29日 23時) (レス) id: 6161016a7e (このIDを非表示/違反報告)
雪村セツカ - 凄い表現の小説です!この後もとても楽しみです! (2019年5月29日 21時) (レス) id: d20236ed14 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 彩奈@Project KZさん» 彩奈さん初めまして!わあ、ありがとうございます……!お暇な時にゆるりとまた見て下さると嬉しいです☆ (2019年5月29日 7時) (レス) id: 671013a88c (このIDを非表示/違反報告)
彩奈@Project KZ(プロフ) - すごく面白かったです!引き込まれました!!今後の展開が楽しみです! (2019年5月29日 7時) (レス) id: 31fa4da9ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくら | 作成日時:2019年5月24日 8時

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